2018年1月22日(月)

民主、党内抗争の兆し 小沢氏の動き焦点
消費税問題なお火種

2010/7/12付
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 参院選で民主党大敗で、菅直人首相は厳しい政権運営を迫られる。首相は続投の意向を表明したが、党内では小沢一郎氏に近い議員らを中心に首相の責任論が浮上。「脱小沢」路線の党執行部の刷新、挙党態勢を求める声も出ている。現職閣僚の千葉景子法相の落選で早期の内閣改造も焦点だが、首相はいずれも消極的だ。過半数を割った与党は参院で野党との連携を探るものの、消費税の増税問題の扱いも絡みハードルが残る。

 党内では首相の「消費税発言」が争点化されたことが敗因だとの受け止めが大勢だ。首相は12日未明の記者会見で「十分な説明ができていなかった点は私自身は反省している」と認める一方で「新たなスタートの気持ちで頑張りたい」と続投を表明した。

 山梨選挙区で辛勝した輿石東参院議員会長は、記者団に「首相の責任に持っていくことはしない」と語ったものの、党内の受け止めは厳しい。小沢グループ幹部の一人は11日夜、「首相を含め執行部に総括を求め、責任を追及する必要がある。現体制のままでは連立を組んでくれる党もない」と強調した。

刷新には消極的

 首相側は責任論の回避に必死だ。首相は11日夜、首相公邸で側近の荒井聡国家戦略相や加藤公一法務副大臣らと断続的に協議。加藤氏は記者団に「首相をころころ代えれば国際的な信頼を失いかねない」と語った。政府高官は「獲得議席の見通しは30台から始まったんだ」と獲得議席は鳩山・小沢体制下より盛り返したとの理屈で首相続投を訴える。

 党内からは枝野幸男幹事長や安住淳選挙対策委員長の交代論が上がるが、首相は直ちに執行部の刷新に踏み切ることには消極的だ。記者会見では枝野氏について「これからも職務を全うしてもらいたい」と明言。枝野氏自身はテレビ東京番組で「真摯(しんし)に受け止めて国民の声にどう応えていくかを考えていく」と述べた。

 神奈川選挙区での千葉法相の落選で、内閣改造を求める声も上がりそうだが、首相は9月の代表選までは民間人として続投させる意向だ。執行部刷新や内閣改造に直ちに着手すれば、党内の批判勢力に付け入るすきを与え、首相の責任まで問われかねないとの懸念があるとみられる。

 もっとも、責任論も野党との連携も、鍵を握るのは党内最大の130人の勢力を束ねる小沢氏の意向だ。

 小沢氏は昨年の衆院選で国民新、社民両党との3党連立政権を樹立した立役者で、今後の野党との連携も小沢氏抜きには実現できないとの見方が多い。小沢氏に近い石井一副代表は11日夜、記者団に「責任論や党内抗争は厳に慎むべきだ。一致結束してこの難局に当たらざるを得ない」と述べたが、「脱小沢」路線の修正要求とも取れる。

 首相が持論の消費税増税にこだわれば小沢氏とぶつかるジレンマを抱える。小沢氏は選挙中に「4年間は上げないと言ってきた」などと繰り返し苦言を呈してきた。連立を組む国民新党も税率引き上げに反対だ。

代表選もネック

 野党との連携も難しい。みんなの党は消費税増税に反対し、公明党も歳出削減を優先させるべきだとの立場を取る。「当面は10%」を掲げる自民党も、超党派協議への参加は民主マニフェスト(政権公約)の撤回を条件としている。

 9月には党代表選が控えており、首相の対応は難しい。小沢氏は幹事長辞任直後、「参院選後に先頭に立って頑張る」とも宣言しており、首相の出方次第では、自らの代表選出馬も含め対立候補の擁立に動く可能性もある。党内では「路線対立が決定的になれば、首相は衆院解散・総選挙に打って出るのではないか」との声すら漏れる。

 ただ、小沢氏も自らの「政治とカネ」を巡る問題が尾を引く。小沢氏の資金管理団体の土地取引事件を巡っては、東京第5検察審査会が今後、2回目の議決を出すとみられている。1回目に続き再び「起訴相当」となれば小沢氏は強制起訴となる。党内からは「国民の8割が小沢氏に反感を持っている現状で、小沢氏が再び存在感を強めるのは難しい」との声も上がる。

 民主の44議席は、1998年の参院選で自民が惨敗し、橋本龍太郎首相が退陣したときと同じ獲得議席数だ。それにしては今回、党内の動きは鈍い。数日前から行方をくらましているとされる小沢氏の意向をつかみあぐねているようにもみえる。選挙結果を受けた12日未明の首相の記者会見は、既に大勢が判明していたにもかかわらず、予定より約1時間遅れた。

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