川内原発「合格」6月以降に 審査ずれ込む

2014/4/10付
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原子力規制委員会から優先的な審査を受けている九州電力の川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県)の審査合格が、当初見込みの5月から6月以降にずれ込む見通しとなった。合格に必要な書類の提出準備に時間がかかっているためだ。川内原発に続く原発再稼働の第2陣も、まだ見通しにくい状況だ。

「地震想定の見直しがあったため、再解析の作業に時間がかかる」――。規制委が10日に開いた審査会合。九電は川内1、2号機の審査合格に必要な書類が、すべて準備できるのは5月末との見通しを明らかにした。

電力会社が規制委に提出する申請書類には「設計の基本方針」「工事計画」「運転管理体制」の3種類がある。九電はこのうち、最も重要な「基本方針」の申請書類を4月末に提出する方針。

ただ、詳細な設計内容を記した工事計画などの申請書づくりが遅れている。審査の過程で地震の想定値を引き上げたため、耐震評価のやり直しに時間がかかるという。3つの書類がそろわなければ最終的な合格は出せない。

作業の遅れは再稼働時期に影響を与えそうだ。原発は審査に合格しても規制委による機器の検査を受けなければ再稼働できない。この検査にも1~2カ月ほどかかる見通し。地元自治体から再稼働への同意を取り付ける作業も必要だ。

一連の手続きにかかる時間を逆算すると、夏の節電期間が始まる7月1日までの再稼働は困難な情勢だ。電力需要がピークを迎える8月以降にずれ込む可能性もある。

川内原発に続く再稼働の第2陣もまだ見えてこない。有力候補とされる四国電力の伊方3号機(愛媛県)の審査は、規制委からの厳しい注文で一進一退が続く。昨夏に動いていた関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)は、規制委から地震の想定で厳しい指摘を受けており、今夏の再稼働は絶望的な状況だ。

西日本では3月にJパワーの松浦火力発電所2号機(長崎県)で事故が発生し、7月以降も発電できない可能性が出ている。関電や九電は、あわてて東日本から電力融通を受ける検討に入った。川内原発の再稼働の時期は、西日本の今夏の電力需給に影響を与える可能性がある。

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