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原発再稼働、立地・型式で差 伊方・川内有力、規制委案

原子力規制委員会は10日、原子力発電所の再稼働を認めるかどうかの判断の元になる新規制基準の条文案を了承した。安全対策の大幅な強化を促す半面、立地や原発の型式により必要な対策に大きな差がつく。東日本に多い福島第1原発と同じ沸騰水型の原発や、運転30年超の老朽原発は特に規制のハードルが高く、再稼働が来年度以降に遅れる可能性もある。

新基準は7月18日までに施行する。規制委の人員不足もあり、再稼働を同時に審査できるのは3原発という。

この中で四国電力伊方原発(愛媛県)と九州電力川内原発(鹿児島県)の早期再稼働は有力だ。活断層のリスクが小さく、敷地が高所にあるため津波に襲われにくい。原子炉の格納容器が大きい加圧水型軽水炉(PWR)型のため、炉内の圧力を下げるためのフィルター付きベント(排気)設備の設置を猶予される。四国電と九電は伊方、川内両原発で7月の申請と今秋稼働を目指す。

PWR型で、活断層のリスクも小さい点では北海道電力泊(北海道)、九電玄海(佐賀県)、関西電力高浜(福井県)も再稼働の候補だ。防潮堤の未整備や地元の理解など個別の課題はあるが、条件を満たせば7月の申請もあり得る。

逆にしばらく再稼働を見込めそうにないのは、福島第1原発と同型で、格納容器が小さい沸騰水型軽水炉(BWR)の原発。新基準はベント設備の猶予を設けず、再稼働前の設置を義務づけた。工事には年単位の時間と、同装置1台で数十億円の費用がかかる。

日本の代表的なBWR型は東電柏崎刈羽(新潟県)、東北電力東通(青森県)などで東日本に多い。柏崎刈羽の早期稼働を織り込む東電の経営計画に影を落とす。

運転30年超の老朽原発はさらに厳しい。燃えにくいケーブルへの交換や緊急時の冷却配管の多重化が必要になるためだ。老朽原発は発電能力が100万キロワット以下で、再稼働しても経営へのメリットは少ない。原則40年の寿命を考えると、費用に見合わなければ廃炉も選択肢になる。業界団体幹部は長期の見通しで「3分の1の原発が廃炉になる」と予想する。

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