2019年8月18日(日)

関電、猛暑なら電力2割不足 官民で大飯再稼働急ぐ

2012/4/10付
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野田佳彦首相らが関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を急ぐのは、今夏の電力需給への不安解消が最大の狙いだ。政府は大飯原発が再稼働しないと、今夏の関電管内の電力は一昨年並みの猛暑だと19.6%不足、昨年並みでも7.6%不足する見通しを提示。官民協調で再稼働を急ぐ構えだ。

関西電力管内の今年8月の電力需給見通し
11年夏並みのピーク需要10年猛暑並みのピーク需要で原発再稼働せず
大飯3、4号機を再稼働原  発
再稼働せず
供給予備率0.9%▲7.6%▲19.6%
需  要2,7842,7843,095
供 給 力2,8102,5742,489
原子力23600
火 力1,9181,9181,918
水 力243243243
揚 水286286201
その他126126126

(注)関西電力まとめ。その他は地熱や太陽光のほか他電力会社からの融通分。気温が上昇すると、揚水発電が減るため、供給力はそろわない。単位万キロワット

枝野幸男経済産業相は「再稼働の必要性を判断するうえで最も大きな要素が電力需給だ」と説明してきた。関電の発電量に占める原発依存度は2010年度実績で4割超。再稼働の切迫度は高い。

政府と関電が9日明らかにした試算によると、原発ゼロの場合の今夏の供給力は昨夏に比べ約370万キロワット減の2574万キロワット。需要を昨夏ピーク(2784万キロワット)並みとしてもまだ電力は不足する。ただ大飯3、4号機(出力計236万キロワット)が再稼働すれば、電力の需給は約1%のプラスに転じる。

同試算によると、原発ゼロのままだと火力発電への切り替えで沖縄を除く電力9社の合計で燃料費が3兆1000億~3兆8000億円増加。電気料金の押し上げ要因になる恐れがある。

国内54基の原発で唯一運転を続ける北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)は5月5日に定期検査に入る。野田内閣は夏場の電力需要期に「原発ゼロ」となる事態を避けるためにも、電力需給の見通しをまとめる今月末から5月の大型連休前後に大飯原発再稼働を最終判断したい考えだ。

経産相は関電の工程表に(1)15年度を目指す3設備の完成時期前倒し(2)安全対策の進捗状況を四半期ごとに公表(3)不測の事故に備え社長と会長が同時に大阪を離れない――との3つの注文をつけた。関電側はいずれも一定の対応が可能とみている。関電首脳は9日夜、日本経済新聞に対し、「政府に安全対策の説明を尽くした。あとは国の判断を待つだけだ」と述べ、国による地元合意の取り付けへの期待を示した。

野田内閣が再稼働を急ぐ背景には、今国会最大の焦点となる消費増税関連法案の審議入りを視野に、できるだけ日程の自由度を確保したい事情もある。首相は月内、民主党執行部も5月の大型連休後の審議入りを描く。政府・与党は同法案の審議入り前に再稼働問題を決着させたい意向だ。

ただ、段取りを急ぎすぎると地元自治体の反発を招きかねない。特に関電の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長は、政府が決めた安全基準を批判し、大飯原発の再稼働に慎重な姿勢だ。次期衆院選もにらみ、首相や関係閣僚は丁寧な手続きを演出し、橋下氏の率いる大阪維新の会との対立を避けようとしている。

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