2019年2月17日(日)

所得に応じ負担増 厚労省、高額療養費制度を見直しへ

2013/9/9付
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厚生労働省は9日、医療費の自己負担が上限額を超えた分を払い戻す高額療養費制度を見直す方針を示した。70歳未満と70~74歳の世代で、所得の高い人の月々の上限額を引き上げ、負担を増やす。上限額の目安となる所得の区分をより細かくして、所得に応じた負担を徹底する。2014年度以降の実施を目指す。

きめ細かい仕組みに切り替えるのは、制度の持続を脅かす給付の膨張に歯止めをかけるためだ。政府の社会保障制度改革国民会議は8月にまとめた報告書で、70~74歳の医療費の窓口負担を2割に上げる方針とともに、高額療養費の負担上限額の見直しを盛り込んだ。

厚労省は9日の社会保障審議会医療保険部会に具体案を示した。年内をメドに上限の引き上げ額や所得区分の数を詰める。部会には自営業者などが加入する国民健康保険(国保)の保険料でも高所得者を念頭に、上限額を上げる方針を示した。

高額療養費の負担を見直す対象は、70歳未満の世代と70~74歳の世代に分かれる。両世代でかかる高額療養費は、全体の年間の払戻額の約2兆円の8割近くを占める。国民会議が示した「能力に応じて応分の負担を求める」考えに基づき、高所得者への負担を重くする。厚労省は医療費の自己負担増や大病院の外来受診の定額自己負担などと合わせて、抑制策に踏み込む方針だ。

高額療養費の負担上限額は現在、70歳未満の高所得者(夫婦の年収で790万円以上)の場合、1カ月で約15万円。これに次ぐ所得者層(210万円以上790万円未満)で約8万円だ。

見直し案によると、基準となる所得区分をそれぞれの世代で細分化し、所得の多い人の区分で上限額を引き上げる。

区分の数は未定だが、70歳未満では高所得者を3つ以上に分ける案が浮上している。そのすべてで負担の上限額を現行から上げる。高所得者に続く一般層も3つ程度に分け、最も高い区分は上限額を上げる。70~74歳でも現役並み所得者と一般層とを2つずつに分け、上の区分で上限額を引き上げる方向だ。

一方、低所得者は上限額を変えないほか、細かくした区分でも下のほうは据え置く。70歳未満の一般層では、低所得者寄りの区分では逆に上限額を引き下げる。金額や区分によっては財政の負担が膨らみかねない。

厚労省は新しい制度の導入時期について、政府が14年度から適用を目指す70~74歳の医療費の負担引き上げを正式に決めた後に、タイミングを見定めるとしている。見直しに伴い必要なシステムの改修には、年単位の時間がかかるともいわれ、実施は早くて14年度後半以降になる見込みだ。

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