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首相、自ら市場開拓旗振り 中東・アフリカ4カ国歴訪開始

【マスカット(オマーン)=川手伊織】安倍晋三首相は9日から、中東・アフリカ4カ国歴訪を始めた。資源が豊富で人口増が続く中東・アフリカは欧米だけでなく、中国、韓国、インドなども「次の成長市場」として関与を深めている。成長戦略の一環で経済外交を重視する首相は自ら、市場開拓の旗を振る。

三井物産、三菱商事、丸紅、新日鉄住金、日揮、IHI、鹿島、清水建設、味の素、不二製油など30あまりの企業・大学の関係者らも同行する。

首相は9日、オマーンでカブース国王と会談。石油・天然ガス輸入の主要ルートであるペルシャ湾の入り口、ホルムズ海峡沿岸の同国と海上交通路(シーレーン)防衛や海賊対策で連携を強化していくことで一致した。石油や天然ガスの開発への日本企業の参画を支援することも確認した。

日本の首相の同国訪問は1990年の海部俊樹首相以来。9日には企業や個人の二重課税や脱税を防ぐ租税協定にも署名した。日本の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とオマーンの石油・ガス省は油田やガス田の操業時の安全・環境課題の技術協力で覚書を交わす。

アフリカでもインフラ案件の受注や資源獲得のため、経済協力を打ち出す。首相のアフリカ諸国歴訪は森喜朗、小泉純一郎両首相に次ぎ3度目で8年ぶり。中国の習近平国家主席や米国のオバマ大統領は昨年、アフリカを歴訪した。首相も日本の存在感を示す考えだ。

今回は「サブサハラ」と呼ばれるサハラ砂漠以南の地域で、重要案件を抱える3カ国を選んだ。

コートジボワールは西アフリカの仏語圏で初の首相訪問。内戦で混乱していたが、ここ数年は経済も成長しており、電力や交通などインフラ整備や農業開発も期待できる。西アフリカは全体で約3億人の市場。10日には同国との首脳会談に加え、周辺国の首脳とも開発や経済統合などに関して意見交換する予定だ。

モザンビーク訪問も日本の首相で初めて。北部では三井物産が巨大ガス田開発を予定し、新日鉄住金が製鉄に使う原料炭の権益を確保するなど、日本企業の大型案件も相次ぐ。12日には投資フォーラムを開催。首脳会談で交通網整備への円借款などの供与も表明する。

エチオピアでは開発の余地が大きい地熱発電などエネルギー分野での協力を打ち出す。同国とは省エネ技術などを提供する見返りに温暖化ガスの排出枠をもらう「2国間クレジット制度」を導入している。アフリカ連合(AU)本部も訪れ、首相が日本のアフリカ政策に関して演説する。

首相は人材育成を重視する姿勢を前面に出し、先行する中国との違いも強調する考え。外交・安保政策の基本理念の「積極的平和主義」も説明、国際社会の平和と安定に貢献する方針を訴える。

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