2019年7月18日(木)

「クラウド」普及へ特区 総務省
データセンター建設の規制緩和

2010/4/10付
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総務省はネットワーク経由でソフトや情報サービスを利用する「クラウドコンピューティング」の普及に向け、2011年春にも北海道か東北に特区を創設する。国内最大級のデータセンターの構築を目指し、建築基準法や消防法の適用除外などで設置コストを軽減する。投資額は最大で500億円程度を想定している。国内への情報関連投資を増やす狙いに加え、機密保持の観点からも国内でのデータセンター構築が重要だと判断した。

日本企業は情報を集中管理するデータセンターへの投資競争で米国勢に後れを取った。米グーグルや米マイクロソフトは建造費や電力代を抑えられるサーバーを格納したコンテナを並べる方式をいち早く採用し、米欧やアジアに次々とデータセンターを建設した。

一方、NECや富士通など日本企業のデータセンターは国内中心だが、コストがかかり、低価格サービスを打ち出しづらかった。日本ではコンテナ型サーバーが建築基準法の対象になり、消防設備などが必要だ。データセンターの構築・運営費用は米国の2倍に上るとの試算もある。

総務省はこうした規制を緩和する必要があるとみて、特区創設の方針を固めた。巨大なコンピューター施設になるため、冷却に必要なエネルギーを節約できる北海道か東北を候補地にする。特区が創設されれば、多くの国内IT企業などが進出を検討する可能性が高い。

国内外の事業者を誘致し、最大でサーバー約10万台分のデータセンター構築を想定する。将来的に特区に政府や自治体の情報システムを格納することも検討する。

通信機器などを更新しやすくするため、11年度の税制改正でサーバーや通信機器の法定耐用年数の短縮も要望する。現在の法定耐用年数はサーバーなどが5年、通信機器などは10年程度で、3年程度の実利用年数とかけ離れている。法定耐用年数が短くなれば、企業が減価償却で損金算入できる金額が増える。

総務省の調査では日本のネット経由の通信量の半分近くが海外のデータセンターを使っている。調査会社のIDCジャパンによると、08年の国内のデータセンターの利用額は7612億円。これに匹敵する利用額が海外に流出した計算になる。

日本の企業や官公庁の間では「機密データは日本のデータセンターに置きたい」とのニーズが強い。海外で情報漏れなどの問題が起きた場合は外国法が適用されるなど、対処に時間や手間がかかる可能性がある。「クラウド特区」でデータセンターの構築コストが下がれば、国内のデータセンター投資に勢いがつき、低価格サービスを実現できる可能性がある。

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