【リヤド=福士譲】サウジアラビアを訪問中の大畠章宏経済産業相は9日、ホサイン水利電力相と会談し、サウジ北西部のブライダ市で横浜市とプラントメーカーの日揮が水道事業受注に向けた実証実験を始めることで合意した。両氏はサウジ国内の水処理全般に関する協力覚書を早期に締結することでも一致。経済成長に伴う水需要の拡大に対応するとともに、日本の技術輸出を促す。
両政府は早ければ2月にも水処理全般の協力覚書を締結する見通しで、締結後、横浜市と日揮がブライダ市で実証実験に着手し、現在の水の使われ方や漏水の原因を調査する。その後事業計画の概要をサウジの水公社に提案するなどして、入札に臨む方向だ。
サウジは配管からの漏水率が20%と高く、水処理技術の改善が喫緊の課題となっている。ブライダ市は人口約60万人で、1日の水供給能力は約20万立方メートル。実証実験は会談で大畠氏が提案。ホサイン氏も「海水を淡水化するコストが高い。それだけに漏水への意識が高い」との認識を示した。