法人税の来年度引き下げ検討 首相が指示
成長戦略会議が初会合

2010/9/9付
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政府は9日午前、首相官邸で閣僚、日本銀行総裁、経済界や労働界トップらをメンバーとする新成長戦略実現会議(議長・菅直人首相)の初会合を開いた。首相は企業の競争力強化に向けた法人課税の実効税率の引き下げについて年内に結論を得るよう指示。6月にまとめた新成長戦略の雇用分野を中心に前倒しする方針を決めた。

新成長戦略実現会議であいさつする菅首相(9日午前、首相官邸)

首相は冒頭「企業の競争力の強化や新産業の創出を背景に、雇用を軸として新たな経済成長を達成できると確信している」と表明。法人税の実効税率の引き下げについて「企業の競争力強化と外資系企業の立地促進のため、課税ベースの拡大による財源確保と併せて来年度予算編成と税制改正作業で検討して結論を得る」と強調した。

出席者からも「日本の国内での投資環境を高めるために必要だ」との発言が相次いだ。日本の法人税の実効税率は約40%で先進国でも高く、新成長戦略では主要国並みの引き下げを求めていた。

会議では10日に閣議決定する円高・株安に対応した経済対策を巡っても意見交換。直嶋正行経済産業相が日本企業に国内への工場建設を促す「日本国内投資促進プログラム」の骨格を説明した。鉄道など日本のインフラ産業を海外に輸出するために閣僚委員会を設けることも申し合わせた。

民主党は自民党政権下でマクロ経済運営の司令塔の役割を果たした政府の経済財政諮問会議を事実上、廃止。首相と日銀総裁が定期的に会合する場がなくなった。新成長戦略実現会議は経済運営の司令塔不在の批判も踏まえて発足させた経緯があり、テーマはマクロ経済全般に及ぶ可能性がある。

首相は「これまでの多くの成長戦略のように作って終わりではなく、必ず実現しなければならない」とも語り、同会議に政策の進ちょく状況をチェックする役割を担わせる考えをした。

新成長戦略は環境、医療・介護、観光、雇用など7つの戦略分野から構成。20年度までの年平均で名目3%、実質2%を上回る経済成長を目指すと明記した。電気自動車の普及促進、外国人患者を受け入れる「医療ビザ」の創設、法人税率の引き下げなどを盛り込んだ。会議には岡田克也外相と北沢俊美防衛相を除く全閣僚、日銀の白川方明総裁、日本経団連の米倉弘昌会長、連合の古賀伸明会長らが出席した。

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