環太平洋協定参加、6月めど判断 首相「平成の開国」
基本方針を閣議決定 農業政策、来年度予算で拡充

2010/11/9付
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鹿野農相と言葉を交わす菅首相(9日午前、国会内)

鹿野農相と言葉を交わす菅首相(9日午前、国会内)

政府は9日の閣議で包括的経済連携に関する基本方針を決定した。焦点の環太平洋経済連携協定(TPP)について「関係国との協議を開始」と明記。参加の判断は先送りしたものの、菅直人首相は「平成の開国は国民の生活と元気な日本の復活につながり、必ずプラスになる。全閣僚一体となって取り組むようにお願いする」と参加に強い意欲を示した。政府は関税撤廃で影響を受ける農業の競争力強化に向けた対応に着手する。

仙谷由人官房長官は閣議後の記者会見で、TPP参加の判断時期に関し、農業改革の基本方針を策定する2011年6月前後を目指したいとの考えを表明した。首相は閣議後の閣僚懇談会で来年度の農業予算に関する4閣僚会合の新設を指示した。玄葉光一郎国家戦略相を議長に仙谷長官、野田佳彦財務相、鹿野道彦農相で構成。農家への戸別所得補償制度を含む競争力強化策を詰める。

国家戦略相は同日の記者会見で閣僚会合を今週中にも開催する意向を示すと同時に「来年度予算で農業の競争力強化に向けた政策の拡充を図る必要がある」と述べた。

首相は13、14日に横浜市で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で包括的な経済連携に関する基本方針を示す。閣議では「農業再生を念頭に置きながら国を開くという今後の我が国のあり方にとって重大な基本方針だ」とも強調した。TPPは自由貿易協定(FTA)を多国間で結ぶ枠組み。米国やチリなど9カ国が参加を表明済みだ。

日本がTPPに加わる場合、参加国の同意が個別に必要になる。基本方針に盛り込んだ「関係国との協議開始」では、参加の意思表示とはみなされず、TPPに加わる際には参加を明確にしなければらない。米国は来年11月にハワイで開くAPECでの交渉妥結を目指す。参加国は既にルール作りを始めており、日本は現時点でも出遅れている。

TPP参加と絡むのが先行させる農業改革だ。政府は首相を議長とする農業構造改革推進本部(仮称)を新設し、来年6月までに基本方針を策定。同10月までに財源を含む中長期の行動計画をつくる。コメの部分開放に踏み切った1993年のウルグアイ・ラウンド合意以来の大規模な農業改革となる。

基本方針では看護師や介護福祉士などの外国人労働者の受け入れについては来年6月にまとめると明記。非関税障壁を撤廃する規制改革の具体策を来年3月までに策定することも打ち出した。

〈経済連携に関する基本方針の骨子〉
○TPPは情報収集を進めながら対応し、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始
○「アジア太平洋自由貿易圏実現に向けた閣僚会合」を開催
○首相を議長とする「農業構造改革推進本部」を設置。11年6月をメドに基本方針を決定
○関税措置などのあり方を見直し、透明性の高い納税者負担制度への移行検討
○非関税障壁撤廃に向け、行政刷新会議で11年3月までに規制改革の具体的方針を決定
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