街角景気、2カ月連続改善 6月調査、指数2.6ポイント上昇
内閣府が8日発表した6月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数は47.7と前月に比べ2.6ポイント上昇した。改善は2カ月連続。消費増税に伴う駆け込み需要の反動減が幅広い分野で和らいだ。2~3カ月後を占う先行き判断指数は小幅ながら3カ月ぶりに悪化した。燃料価格の上昇など物価高の影響を不安視する動きが出ている。
調査は6月25日から月末に実施した。内閣府は基調判断を「景気は緩やかな回復基調が続いており、反動減の影響も薄れつつある」とし、6カ月ぶりに上方修正した。
景気の現状判断指数のうち、家計動向を示す指数は前月に比べ3.0ポイント上昇し45.1となった。小売りや飲食などすべての業種が改善した。「消費税増税の影響はほぼ無くなり、生活必需品も、酒や菓子などの嗜好品も、売れ行きが前年同月を上回る状態で推移している」(北陸・スーパー)といった声が相次いだ。
増税前の駆け込みが大きかった家電関連でも「5月までは駆け込み需要の反動の影響が大きかったが、6月からは若干回復傾向にある」(北海道・家電量販店)とのコメントが出てきた。
商店街からは「天候不順と消費税増税の余波があり、物が売れず、販売量は約2割減である」(南関東)などと苦戦を訴える声もあったが、反動減の影響は和らいできている。UBS証券の青木大樹シニアエコノミストは調査結果を「消費税の反動減の底打ちが確認された。高齢者を中心とした個人消費の強さを印象づける」と分析する。
企業の動向を示す指数も前月に比べ2.9ポイント上昇して50.3となり、好不況の目安となる50を3カ月ぶりに超えた。「消費税増税の反動で落ち込んだ受注残高が、今月に入って盛り返してきている」(東北・出版・印刷・同関連産業)とのコメントが目立った。
先行き判断指数は53.3となり、前月に比べ0.5ポイント下落した。悪化は3カ月ぶり。「主原料をはじめとして、副原料、燃料費、輸送費と軒並み値上がりの兆しがある」(北陸・食料品製造業)など、コスト高を懸念する声があった。
ただ指数の水準そのものは50を上回る高い水準で、「夏のボーナス商戦も売り上げは戻りつつある」(東北・家電量販店)と前向きなコメントも多い。日本総合研究所の下田裕介副主任研究員は「2~3カ月後には景気は本格的に戻ってくるのではないか」とみている。