/

自衛隊の武器使用基準、緩和は見送り 対象は拡大

自民、公明両党は8日、アルジェリア人質事件を踏まえ在外邦人の安全確保に向けた自衛隊法改正などの提言をまとめた。自衛隊による邦人輸送を陸上でもできるようにするのが柱。自衛隊が保護、輸送する対象を現地に迎えに行く家族や企業関係者らにも広げる。ただ正当防衛などに限っている武器使用基準の緩和は見送った。

武器使用基準に関しては、国連平和維持活動(PKO)協力法でPKOに参加する要件として「要員の生命保護のための必要最小限の武器使用」を明記。2001年の法改正で「自己の管理下に入った者」や「武器、弾薬などの防護」のために武器が使えるように基準を緩和した。

ただ他国の軍隊への攻撃に自衛隊が反撃することや、離れた場所にいる文民を保護するために駆けつけて武器を使うことは認められていない。防衛省では「現場が大きく悩むところで、国際的な基準に沿っていない」(幹部)との不満が強い。

自民党内では武器使用基準の緩和を求める声もあったが、提言では「現行法で相当程度が対応可能とみられる」として緩和を見送った。「今までの定着した武器使用基準の考え方を守っていくのが大きな原則だ」と緩和に慎重だった公明党に配慮した形だ。

輸送の際に自衛隊が武器を使って守る対象者を現行法では自衛隊の「保護」の下にある者として、現地で救助が必要になった人に限定している。提言では日本から向かう家族や企業関係者、輸送に携わる政府関係者らも守れるようにするため、この規定を自衛隊の「管理」の下にある者と言い換えるよう求めた。

現行法は現地の安全が確認された場合に航空機、船舶での邦人輸送を認めている。提言はアルジェリア事件の対応を踏まえ「車両輸送のニーズが発生することは今後否定できない」とし「自衛隊による陸上輸送を可能とする」と明記した。防衛省幹部は「現行法に陸上の観点が抜け落ちていた」と認める。

政府は近く提言を受けて法改正の手続きに入る。しかし「優先度の高い法案もあり、物理的に日程は厳しい」(防衛省幹部)。政府として在外邦人を守る姿勢を打ち出す意味でも今国会での提出にはこぎ着けたいところだが、成立までは見通せないのが実情だ。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン