野田佳彦財務相の記者会見でのやり取りは以下の通り。
「今朝、7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁の電話会議が開かれた。米国や欧州における金融や経済の状況等について幅広く意見交換した。議論の成果はG7財務相・中央銀行総裁の声明としてまとめている」
「8月2日に成立した米国の財政赤字削減策、7月21日のギリシャ支援のための包括的なパッケージを歓迎する。必要な場合には流動性を確保し、金融市場の機能や金融の安定、経済成長を支えるために協調行動を取ることにコミットする」
「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは経済、金融の安定に悪影響を与えることを確認し、為替市場における行動に関して緊密に協議し、適切に協力する」
「日本も米国や欧州とともに取り組みを歓迎するとともに、声明で示された措置の適切な実施により、市場が安定し、成長が確保されることを期待する」
――野田財務相からの提案は。
「為替に関して明確にG7の声明に入れるべきだと話した。過度な変動や無秩序な動きが(経済や金融の安定に)悪影響を及ぼすということ、(G7各国が)緊密に連絡を取りながら協調するということだ」
――為替介入には理解を求めたのか。
「引き続きマーケットを注視すると話し、G7の確認をさせてもらっている。為替介入より前にマーケットの動向を注視することが大事だ」
――日本が4日に実施した単独の為替介入については。
「説明はした。一方的に円高に偏った動きというのは、(日本経済が)東日本大震災から立ち上がろうとしているとき、復興に向けたさまざまな取り組みや経済や金融に悪影響を及ぼしていると説明したうえで、介入を実施したと話した」
――各国の理解は得られたのか。
「説明はした」
――米国債の取り扱いについては。
「米国債についての発言は具体的にはない。米国は債務上限の引き上げ法案を成立させ、歳出削減も進めていくことを明らかにしている。米国が財政再建をしっかりやっていくことを前提にするならば、米国債への信認は揺るがないし、魅力ある商品だと思う」
――米ドルへの信頼が揺らいでいるとの見方が出ている。
「先ほど話したように揺らいではいない」
――市場に対してどんなメッセージを送りたいか。
「各国が緊密に連携を取りながら、世界経済の安定に向けてしっかりやっていくというメッセージを(G7財務相・中央銀行総裁の)声明として打ち出した。マーケットにもそのことを受け止めてもらいたい」