2019年3月26日(火)

経常黒字43.9%減 11年、過去最大の減少率
48年ぶり貿易赤字

2012/2/8付
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財務省が8日発表した2011年の国際収支速報によると、モノやサービス、配当、利子など海外との総合的な取引状況を示す経常収支は9兆6289億円の黒字にとどまった。前年比43.9%減で、1985年以降の現行方式で最大の減少率となった。円高などで輸出が減る一方、原子力発電所の停止で燃料輸入が急増。輸出から輸入を差し引いた貿易収支が赤字に転落したことが主因だ。

経常黒字額は15年ぶりの低水準となった。財務省は「(世界経済の低迷による輸出の減少など)貿易赤字は全てが一時的要因とはいえない」としたうえで、「所得収支の黒字が堅調に推移すれば、ただちに経常赤字になることはない」との見方を示した。

貿易赤字は1兆6089億円だった。現行方式では初めての赤字。単純比較はできない旧基準のデータまで遡ると、63年以来48年ぶりの貿易赤字となる。

2011年と11年12月の国際収支
2011年11年12月
▽経常収支96,2893,035
(▲43.9)(▲74.7)
 貿易・サービス収支▲32,496▲3,002
  貿易収支▲16,089▲1,458
  輸出627,23454,435
(▲1.9)(▲7.0)
  輸入643,32355,893
(15.0)(9.8)
  サービス収支▲16,407▲1,544
 所得収支140,2967,005
 経常移転収支▲11,511▲968
▽資本収支59,9758,968
 投資収支59,8587,482
 その他資本収支1171,486
▽外貨準備増減▲137,8972,700
▽誤差脱漏▲18,366▲14,703

単位億円、カッコ内は前年比・前年同月比%、▲は赤字または減少

輸出額は62兆7234億円で、1.9%減少した。東日本大震災によるサプライチェーン(供給網)寸断で生産がストップし、輸出に響いた。年後半は欧州債務危機の深刻化や歴史的な円高が輸出の重荷となった。11年の為替相場は平均で1ドル=79円77銭と、前年に比べ8円ほど円高・ドル安で推移した。

輸入額は64兆3323億円で15.0%増えた。原発停止を受け、火力発電に使う液化天然ガス(LNG)の需要が膨らんだ。通関ベースでLNGの輸入は金額・数量ともに過去最高を記録した。

旅行や運送などのサービス収支は1兆6407億円の赤字となった。赤字額が前年より2264億円増えた。震災後の放射能不安などで、訪日外国人旅行客が3割近く減ったためだ。

所得収支は、経常収支を構成する4つの収支のうち、唯一黒字を確保。黒字額は19.9%増の14兆296億円となり、4年ぶりに拡大した。アジア新興国を中心に、海外子会社から受け取る配当・利子が増えたためだ。

同日発表した11年12月の経常黒字は前年同月比74.7%減の3035億円だった。震災が発生した昨年3月以降、10カ月連続で黒字額が前年同月の水準を下回った。

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