政府「関税交渉は平行線」、農業団体に説明 TPP
【シンガポール=坂口幸裕】政府は8日、シンガポールで開催中の環太平洋経済連携協定(TPP)閣僚会合の交渉状況に関して、農業団体などに説明した。出席者によると、TPP政府対策本部の渋谷和久内閣審議官が、関税分野の交渉では依然として日米の対立が続いている現状を報告。出席した畜産業界の関係者は「『平行線で全く(先は)読めない』という感じだった」と述べた。
会合には約50人が出席した。米国と新興国が鋭く対立する知的財産の保護を巡る交渉や、米議会が政府が結んだ通商合意を一括して承認する大統領貿易促進権限(TPA)を認めるかどうか見通せない点などについて質問が出たという。
終了後、全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長は記者団に「(コメや砂糖など農産品の重要5項目の関税維持を盛った)国会決議を守ってほしいというのが我々の考え方だ。実現してほしい」と訴えた。