コメ先物、試験上場を2年延長 農水省が正式発表

2013/8/7付
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農林水産省は7日、8月7日まで試験上場を認めていたコメの先物取引について、2年間の延長を認めると正式発表した。取引が低迷した時期もあったが、ここにきて取引量が膨らみつつあり、卸売業者などの取引需要が高まってきたと判断。本上場に向けては市場を使いやすくする取り組みが欠かせない。

コメ先物取引は原則として誰でも参加できる。売り手と買い手が将来の一定時期でのコメの売買契約をあらかじめ取り交わし、コメの受け渡しや反対売買による差金決済で契約が終わる。生産者や業者などの経営判断の材料となる指標価格を提供し、流通業者、需要家にとって価格変動リスクを回避する手段となる。

コメの現物価格は業者間の相対取引で決まり、価格の決まり方が不透明な部分がある。JAグループを中心とした生産者は「先物取引が広がればコメの価格が投機マネーに左右されかねない」として参加を見送ってきた。農水省は現物価格と先物価格に大きな開きはなかったと分析。生産や流通市場にも影響はほとんどなかったとみている。

最大の課題は取引量の拡大だ。当初は目標が1カ月あたり5000枚(1日平均)といわれたが、今年6月で852枚にとどまる。国内で唯一コメ先物を扱う大阪堂島商品取引所は本上場を目指していたが、取引が少なく試験期間の延長を申請するのがやっとだった。農水省と取引所は魅力のある市場づくりを進めJAなどにも参加を粘り強く呼びかける必要がある。

コメ先物は江戸時代にさかのぼる世界最古の歴史を持つが、戦時経済体制への移行で廃止され、戦後も政府の価格統制のもとで「封印」されてきた。2011年8月に大阪堂島商取(当時は関西商品取引所)と東京穀物商品取引所(東穀取)で72年ぶりに取引が復活。東穀取が解散した後は堂島商取が国内唯一のコメ先物市場となっている。

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