官房長官、新エネ計画「もんじゅ含め議論・決定」
菅義偉官房長官は7日の閣議後の記者会見で、高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の実用化に向けた目標や組織の見直しを示唆した。月内にも閣議決定するエネルギー基本計画に関し「もんじゅを含め徹底的に議論し、与党とも調整して決定する」と述べた。
官房長官は新計画に関して「方向性を決めたという事実はない」とする一方、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の組織見直しの必要性に関しては「正直言ってある。いろいろな不祥事が多発する中で、文部科学省がしっかりと対応し始めている」と語った。
政府は現行のエネルギー計画に明記している「2025年ごろまでの実証炉の実現、50年より前の商業炉の導入」という高速増殖炉の実用化目標を白紙に戻す方針。もんじゅを原子力発電所から出るゴミの減量を研究する施設に衣替えする案も浮上している。
甘利明経済財政・再生相はもんじゅに関して「エネルギーのリサイクル利用と廃棄物の絶対量を減らす2つの精神でスタートした」と指摘。「その時の考えと今後のエネルギー政策をどう擦り合わせるかで経済産業省を中心に結論が出ていく」と述べ、核のゴミの減量施設に転用する可能性にも含みを持たせた。
下村博文文部科学相はもんじゅの増殖炉としての機能継続に意欲を示す一方、「今までのもんじゅにおける現場の対応がお粗末で、国民から不信感を買っている。謙虚に対応していく」と語った。