2019年7月18日(木)

尖閣ビデオ、菅政権揺さぶる 「流出」が映す政治迷走

(1/2ページ)
2010/11/7付
保存
共有
印刷
その他

「警告から逮捕まで胸を張れる対応だった。その証拠がこんな形で国民の目に触れることになるとは……」。尖閣諸島沖で衝突の末、中国漁船を摘発した海上保安庁の幹部は、衝突時の映像がインターネット上に流出した騒ぎに落胆を隠さない。

同庁は映像流出を把握した翌日の5日早朝、石垣海上保安部(沖縄県石垣市)と第11管区海上保安本部(那覇市)に職員4人を派遣、6日はさらに4人を追加した。8人中5人がパソコンなど情報システム解析の専門家。ビデオ映像が同保安部で編集したものと同一の可能性が高まるなか、流出の経緯に迫る考えだ。

ただ仮に映像にアクセスした不審な履歴を突き止めても、他人のIDを使ってなりすましたり、高度な改ざんがあったりすれば「犯人」の特定は困難。「流出」の前提となる映像の照合作業も「間違いがあってはならない」(海保幹部)として慎重に進めており、全容解明は難航している。

守秘義務違反も

海保幹部は「映像はほぼ間違いなく本物。『内部犯』の疑いを持って調査せざるを得ない」と苦しい胸の内を明かす。国家公務員法(守秘義務)違反の疑いもある重大な事態だ。永田町では与野党を問わず、原因究明や危機管理の再構築を叫ぶ声が相次ぐ。だが、街の声を聞けば、受け止めはそればかりではない。

「真実を知ることができた。結果として良かった」。埼玉県在住の会社員、青木一夫さん(61)は言う。「中国に屈した日本外交に耐えられなくなった政府内部の人が漏らしたのでは」とみるのは都内の飲食店に勤める原翔吾さん(26)だ。

中国漁船の衝突の意図がうかがえる映像をみて、留飲を下げる空気は確かにある。「犯人が見つかっても寛大な処置を」。海保には、映像流出を歓迎する電話やメールが多数、寄せられているという。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。