2019年8月17日(土)

「異例」の日中首相会談 廊下のいすで25分間
近く北京でハイレベル協議で合意

2010/10/5 6:26 (2010/10/5 10:35更新)
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【ブリュッセル=大場俊介】菅直人首相は4日夜(日本時間5日未明)、ブリュッセルの王宮内で中国の温家宝首相と約25分間会談した。沖縄県の尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件以降、冷え込んでいる両国関係について、両首相は戦略的互恵関係を進展させることを確認し「今の状況は好ましくない」との認識で一致。今後、北京でハイレベル協議を開くことでも合意した。一方、尖閣諸島の領有権を巡っては、双方が「固有の領土」と主張、対立を残した。

ASEM首脳会議の開会式に臨む菅首相(左)と中国の温家宝首相(4日、ブリュッセル)=共同

ASEM首脳会議の開会式に臨む菅首相(左)と中国の温家宝首相(4日、ブリュッセル)=共同

9月7日の尖閣沖衝突事件以降、日中の首脳級が会談するのは初めて。会談は、今月4日からブリュッセルで開いているアジア欧州会議(ASEM)首脳会合の夕食会の後、会場の廊下でいすに座る異例の形で開かれた。中国国営の新華社通信は正式な首相会談の際に使う「会談」ではなく、話を交わした「交談」との表現を用いた。

菅首相は会談後、ブリュッセル市内で記者団に「(温首相と)同じ方向に歩いていて『やあやあ』『座りましょうか』という感じで話ができた」と説明した。日中首相会談が実現したことについては「政権を担当した直後にカナダで胡錦濤国家出席と会い、戦略的互恵関係を確認した。その原点に戻る話ができたのはよかった」と語った。

会談では、尖閣諸島問題を巡って温首相から「原則的な話」(菅首相)があり、菅首相は「領土問題は存在しない」と強調した。新華社によると、温首相は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国固有の領土だ」と中国の領有権を改めて主張、同問題についての歩み寄りはみられなかった。

日中関係を巡って、両首相は「今の状態は好ましくない」との認識で一致。菅首相は、6月の日中首脳会談で胡主席と戦略的互恵関係の原点を確認したことを提起し「原点に戻ってこれからのことを考えよう」と呼びかけ、温首相も同意した。

両首相は閣僚級の交流再開でも合意した。中国は尖閣沖での衝突事件で中国漁船の船長の拘置期限が延長された後、閣僚級の交流を停止していた。複数の民間交流が延期されていたことを巡っても、両首相は「復活させたほうがいい」という考えで一致した。

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