国保納付率が最低に 09年度88.01%、景気低迷で
厚労省調べ

2011/2/4付
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 年金生活者や自営業者などが加入する国民健康保険(国保)の保険料の納付率が、2009年度は88.01%(速報)と過去最低になったことが厚生労働省の調べでわかった。所得減などで支払いが滞る人が増えたとみられる。ただ、自治体間の差も大きく、改善の余地はなお残っているとの指摘もある。

 納付率は、初めて90%台を割り込んだ08年度を0.34ポイント下回った。過去最低を更新するのは2年連続となる。

 全国のうち特に納付率が低かった自治体は千葉県八街市(77%)や群馬県大泉町(78%)、東京都新宿区(78%)、大阪府東大阪市(79%)など。厚労省は「景気の影響を受けやすい中小企業が集まっている町や、外国人の多い市町村の納付率が低くなる傾向にある」(国民健康保険課)と分析している。

 赤字穴埋めのため市町村が一般会計から税金を繰り入れている分を除いた実質収支は、全国の国保の合計で2633億円の赤字。08年度より赤字額が250億円増えた。納付率の低下や加入者の所得の減少で保険料収入が減ったことに加え、高齢化や医療技術の進歩で医療費が膨らんで保険給付費が増えた。

 1723の国保のうち、赤字国保の割合は53%(916)を占めた。08年度は75歳以上が後期高齢者医療制度に移ったことで国保の負担が減り赤字割合は45%に下がっていたが、財政は再び悪化する傾向にある。

 納付率向上のため一部自治体は保険料の口座振替を推進している。口座振替を原則義務化した名古屋市では納付率は91.44%。札幌市も原則義務にしたところ、納付率は前年度に比べ1.28ポイント上昇し87.13%となった。

 加入者の反発に配慮して義務化を見送る自治体もあるが、保険料の未納分は税金で穴埋めするケースも多い。制度の公平性を高めるためにも義務化の取り組みが求められそうだ。

 厚労省が同時に発表した75歳以上が対象の後期高齢者医療制度の財政状況によると、保険料の納付率は08年度より0.25ポイント高い99%。75歳以上は病院を利用する機会がほかの世代より多いため、納付率は高くなる傾向にある。実質収支は508億円の黒字だった。

 同制度は75歳以上の医療給付費の原則5割を税金、4割を現役世代の支援金、1割を高齢者の保険料で賄う仕組み。財源の調達割合が明確になっているため、財政は国保よりも安定している。ただ、政府・民主党は同制度を廃止して新しい制度を13年度中に導入する方針を示している。

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