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銀行券ルール一時停止 日銀、基金とオペは一体化

日銀は金融政策決定会合で、「銀行券ルール」の一時停止を決めた。積極的な国債買い入れを進めるのが目的だ。

もともと日銀は、経済成長に伴うお金の需要の増加に対応するため、長期国債を買い入れ、市場に資金を供給していた。ただ、中央銀行が無尽蔵に国債を買い増すと、財政赤字の穴埋め、いわゆる「財政ファイナンス」だと見なされる可能性がある。

市場参加者が急激なインフレや財政破綻に対する警戒感を強めれば、長期金利は急上昇しかねない。そのため日銀は、保有する長期国債の残高は、世間に流通するお札の総額である銀行券発行残高を上限とする、というルールを掲げていた。それが銀行券ルールだ。

だが、デフレや景気低迷が続く中で日銀は2010年に、金融緩和の一環として新たに「資産買い入れ基金」を導入した。この基金を通じて買う国債は銀行券ルールの範囲外、という位置付けにしていた。

日銀は基金買い入れ分も含めれば、12年末で89兆円の長期国債を抱える。発行している銀行券は87兆円で、長期国債の総額の方が大きい。すでに銀行券ルールは有名無実となっており、エコノミストの間からも「不要だ」との声が高まっていた。

黒田総裁による新たな金融緩和策では「資産買い入れ基金」を廃止し、国債の買い入れの枠組みを一本化する。国債の大胆な買い増しも考慮し、銀行券ルールの「一時適用停止」方針を決めた。

大胆な国債購入には不可欠な決定だったが、今後、日銀の金融緩和が財政赤字の穴埋めだと見なされれば、金利上昇のリスクが顕在化する。1月に日銀と決めた共同声明で、政府は「持続可能な財政構造を確立するための取り組みを着実に推進する」と約束している。銀行券ルールの一時停止が悪影響を及ぼさないように、政府は財政規律の確保が不可欠になる。

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