拉致被害者と行方不明者 800人超が調査対象
▼拉致被害者と行方不明者
1970年代から80年代にかけて日本人が北朝鮮に連れ去られる事件が相次ぎ、政府は横田めぐみさんら17人を拉致被害者として認定している。このうち帰国を果たしたのは曽我ひとみさんら5人。残る12人について、北朝鮮側はこれまで8人を「死亡」、4人は「入国の事実なし」と説明している。
政府認定の拉致被害者のほかにも拉致が疑われる行方不明者は多い。警察庁は全国860人の失踪者について拉致の疑いが排除できない行方不明者として調査・捜査している。民間団体は独自に調査した470人と、警察庁が拉致の疑いが排除できないとする行方不明者の一部を合わせた計約700人を「特定失踪者」と認定。うち約270人の情報を公開し、特に77人は「拉致濃厚」としている。
警察庁と民間団体の行方不明者は大半が重なる。日本は局長級協議で860人の行方不明者名簿を北朝鮮側に示し、拉致被害者とともに調査対象として認めさせた。北朝鮮は行方不明者も含めたすべての調査を同時並行で進めるとしている。