規制 岩盤を崩す 第1部

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 20年来の課題である規制改革。経済の停滞打破へ、こんどこそ大きく前に進めたい。筋金入りの改革論者として知られる八代尚宏氏(国際基督教大客員教授)と、政府の改革論議にたずさわる大田弘子氏(政策研究大学院大教授)。あえて推進派の2人にお願いし、自らの体験に根ざした改革への展望を語り合ってもらった。いわば「体験論的・改革のススメ」。その内容とは――。(司会は編集委員 大林尚)

改革の原動力… 生活者の支持と首相の指導力
緊急対談 なぜ改革か

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2013/4/7 2:00
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――そもそも規制改革はなぜ必要なのでしょう。

対談に臨む大田弘子・政策研究大学院大学教授(左)と八代尚宏・国際基督教大学客員教授

大田氏 規制で栄えた業種はない。改革が進まないと、消費者が企業の競争によって得られる値下げや新商品・サービスの登場といった利益を得られなくなる。企業の方では技術革新が起きなくなり、時代の変化についていけなくなる。

八代氏 結局、規制はいちばん質の悪い業者を守ることになり、新しいことを試みる質の良い業者は損をする。市場競争でよりよいものが生まれるという考え方が大事だと思う。

――どうしたら必要性を理解してもらえますか。

大田氏 長く解決しない岩盤のような規制は、議論している側がプロフェッショナルになってしまっている。形を変えながら続いてきた規制改革会議も、長くなるにつれて一般の人から乖離(かいり)していると感じることがあった。

八代氏 一般の人やマスコミに議論の内容と改革の効用を理解してもらわないといけない。過去の改革で多くの賛同を得られたのは、一部の医薬品のコンビニでの販売。24時間開店しているところで、薬が買えたらどんなに便利かと。こういうわかりやすい規制改革を増やすことだろう。

大田氏 たしかに生活者の支持が得られないと規制改革は進まない。待機児童がワーストだった横浜市では「3年間でゼロにする」と訴えた市長がやれる限りのことをやってゼロに近づけた。そういう身近に感じられる成功例は重要だ。

八代氏 もう1つ、議論の論点整理をわかりやすく明らかにすることの大切さを強調したい。たとえば規制改革会議のホームページに主要な論点の賛成意見と反対意見を検索できるような仕組みをつくれば、国民も正しく改革の必要性を判断できる。

――成果の見せ方もポイントですね。

大田氏 優れたモデル例を示すことで規制改革への理解が広がると思う。医療、農業もそうだが、規制があるなかで現に先進的な取り組みをしている事業者がいる。その人たちが阻害要因と思うものを取り除く見せ方や進め方が必要だ。

八代氏 生活者にわかりやすい規制と言えば、車検もそうだ。なぜいい車をつくっている日本で頻繁に車検が要るのか。政府が検討する「国際先端テスト」で、ほかの国と比較して改革案を練るべきだ。

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