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党内に不協和音も 日本維新、国政へ多難な船出

大阪市の橋下徹市長が結党した「日本維新の会」が3日、国会議員による両院議員総会を開き、国政活動を始めた。橋下氏が大阪から国政対応を指揮し、国会議員が「実行部隊」となる異例の体制だが、早くも橋下氏と国会議員団の間に不協和音が聞こえる。国政進出に伴い期待感が一服した印象もあり、次期衆院選まで期待をどうつなぐかが課題になりそうだ。

3日の総会には設立時の7人に加え、新たに2人の国会議員が参加。国会議員団代表に民主党出身の松野頼久元官房副長官を選び、同幹事長には自民党出身の松浪健太氏、同政調会長にはみんなの党出身の桜内文城氏を内定した。国会議員団の目的を「『日本維新の会』が掲げる政策の実現をはかる」と明記した国会議員団規約も決めた。

出先機関

国会議員団は維新が掲げる「維新八策」を実現するためのいわば「出先機関」。松野氏は記者会見で「国会のことは議員団で決めていく」と話したが、政策や国会対策などの重要事項は橋下氏が拒否権を持つ「執行役員会」が決める。国会議員の発言力は不透明で、他党からは臨機応変な国会対応を疑問視する声もある。

 異例の体制を巡っては、新党設立の届け出から1週間もたたないうちにきしみが見え始めた。「国会議員団で変なパフォーマンスに走らないでと松浪議員にきちんと言ってます」。橋下氏は3日、松浪氏を名指ししてこうクギを刺した。

松浪氏がブログに「橋下独裁にはしない」と題して「国政での決定は議員団ですべきことを橋下代表も認めた」と書いたためだ。橋下氏は「大きな方針や戦略は今の国会議員より僕の方がたけている」と公言、議員団との間ですきま風が吹く。

衆院選の時期がはっきりしない中、維新を取り巻く状況も変わりつつある。日本経済新聞社が先週実施した世論調査では、維新に「期待する」とした人は45%。質問が異なるので直接比較はできないが、8月調査で維新の国政進出に期待するとの回答は59%あった。

対決姿勢

維新への期待感の揺れについて橋下氏は3日「今までは虚像に対する数字。それが維新の姿だ」と述べた。総裁選で自民党が支持率を回復した影響も考えられるが、維新の国会議員団の陣容や低調に終わった公開討論会への失望が数字に表れた可能性もある。

既成政党も距離感を修正し始めた。頻繁に接触していた自民党の安倍晋三総裁は「ライバルとして対峙していく。目の前の選挙は正々堂々と意見を戦わせる」と対決姿勢を強調。秋波を送っていたみんなの党内からは「選挙後は自民党との連携も検討すべきだ」との声も出ている。

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