2019年9月23日(月)

鳩山首相"サムアップ"の真意は…(2日夕の発言詳報)

2010/6/2付
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鳩山由紀夫首相の記者団への発言の主な内容は次の通り。

■辞任の決意

――批判してきた政権投げ出しではないか。辞任はいつ決意したか。

首相 本来、首相たるもの任期を全うすべきだと、そのことによって国益が守られると信じていたし、今でもそう思う。途中で投げ出すのはよろしくないと思っていた。

ただ、国民の皆さんが鳩山政権に対して聞く耳を持たないと言われた。その言葉をかみしめながら、本来、政治主導というのは国民と一体となって歩む新政権でなければならないのに、その新政権が国民の声と遠くなる。国民が聞く耳を持たなくなってしまったとすれば立ちゆかなくなる。

そのような判断の中で、自分が身を引くことが結果として国益につながると判断した。10日から1週間くらい前からそのことを自問自答していた。

■衆院解散

――衆院を解散し、国民に信を問う選択肢はなかったのか。

私にはその選択肢はなかった。国民に信を問わずとも、国民が聞く耳を持ってくれるようになれると信じたからだ。

■議員辞職

――議員辞職する考えはないか。しない場合、次期衆院選には出馬するか。

国会議員としてのバッジを与えてもらった、有権者に選挙で選んでもらった、それを途中で投げ出すべきではない。しかし、首相たるもの、その影響力をその後、行使しすぎてはいけないと思っている。従って、次の衆院選に出馬はしない。

■菅氏出馬

――菅直人副総理・財務相が党代表選への出馬意向を伝えた。支持するか。

そういう意味で影響力をあまり行使してはいけない。私から誰かを指名するという意図はない。菅副総理は当然、今まで一番近くで行動をしてくれていた人なので、まず頑張ってくださいと言った。

■小沢幹事長

――首相から民主党の小沢一郎幹事長に「一緒に辞めよう」と言ったようだが、月曜日の会談で言ったのか。小沢氏の返答は。

月曜日(5月31日)、火曜日(6月1日)と会った。月曜の時には私の方から身を引きたい、辞したいと話した。翌日、(輿石東参院議員会長を含めて)3人で会ったときに「私も辞めるが、一番求められているのは政治とカネにおけるクリーンさだ。クリーンな民主党に戻さなければいけない。そのために幹事長にも身を引いてほしい」と言った。小沢氏は「わかった」ということだった。

改めて(陣営幹部が政治資金規正法違反事件などを起こした)小林千代美衆院議員にも引いてもらいたいと言った。それは小沢氏が「私がやろう」ということだった。

――小沢、輿石両氏と話した後、「続投か」という問いかけに親指を上に上げた(サムアップの)意味は。

自分が心に決めていても、それを表したときにどうなるかはわかるでしょう。自分の心というものを外には一切出さないように努めた。

――小沢氏も次期衆院選に出馬すべきではないと考えるか。会談で要請はしたのか。

次期衆院選に出馬するかしないかは政治家本人が決めることであって、私が言うべきことではない。私が言ったように国民にこの政党は変わったな、クリーンになったなという印象を少なくとも与えることが大事で、今回の新しい代表の選出の仕方とか、新しい代表がどのような人選をするかとか、そういったところにかかっているのではないか。

■言葉の軽さ

――国民が聞く耳を持たなくなったのは首相の言葉の軽さのせいでは。

自分なりに大切にしてきたつもりだ。ただ、やはり聞く耳を持たなくなったのは1番目は政治とカネ。2番目は米軍普天間基地の移設問題。県外(移設)と言ったではないかと、連日のように喧伝(けんでん)され、最終的に県外にならなかった。これは約束が違うのではないかと言うことだ。その2つを例示したが、基本的にはこういったことが国民が私に対して、あるいは政権に対して聞く耳を持たなくなった原因だと思っている。

■政治手法

――根回しをしなかったことで普天間問題では失敗した。

理想はやはり、追い求めるべきものだと思っている。やり方の稚拙さがあったことは認めたい。普天間問題が失敗に終わったと思われてるかもしれないが、必ずこれは次代における選択として間違ってなかったと言ってもらえるときが来ると思っている。

■後 悔

――やり残したことはあるか。今日のような演説をもっと前にしようと思わなかったのか。

やり残したことと言えば日ロ関係で、領土問題に対して今年3回、ロシアのメドベージェフ大統領と真剣に議論できることを非常に楽しみにしていた。必ず進展があると自分なりに心に誓うものがあったので、それができなくなったことは誠に残念だと思っている。

このようなことがもっと早くできなかったと言われても、なかなかこういう環境でないとできなかったかもしれない。ある意味で首相という職の緊張感の中で、十分に自分自身を出し切れなかったというところがあったかもしれない。

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