2019年9月21日(土)

2050年の世界GDP、アジアが52%に拡大も ADB報告書

2011/8/3付
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アジア開発銀行(ADB)は2日、2050年までのアジア経済を展望する報告書を発表した。中国やインドが順調に成長を続けた場合、世界総生産(GDP)に占めるアジアの割合は現在の27%から52%まで拡大する。中国の割合は20%、インドは16%に達する。日本は現在の約9%から3%程度に低下するが、旺盛なアジアの需要を取り込み、1人あたりGDPは3万ドルから8万ドルに増えると予測している。

報告書は楽観シナリオと悲観シナリオを示して、政策対応を促した。楽観シナリオでは、アジア域内の好調な成長が続くと仮定。10年に17兆ドル程度の域内GDPは50年に174兆ドルに膨らむと試算した。世界のGDPに占める割合は中国が20%、インドが16%となり、米国の12%を上回る。

報告書では日本の数値は明示していない。ADBは各国の見通しをベースに推計しており、日本の占める割合は2~3%になるとみられる。

アジアの1人あたりGDPは現在の6倍にあたる約4万ドルに達し、50年の世界平均(3.7万ドル)を上回る。日本は10年の約3万ドルが30年に5万ドル、50年に8万ドルに増える見通し。伸びは鈍いが、50年時点でなお中国(5万ドル)やインド(4万ドル)を上回っている。

アジアで新たに30億人が富裕層になる。中国やインドなどは携帯電話の需要に伸び余地があるとも指摘している。人口増を伴うアジアの成長は、消費の拡大につながるため、日本にとっては有望な輸出市場が広がることを意味する。アジアを持続的な成長軌道に乗せたうえで、域内の成長をどこまで取り込めるかが経済運営の重要な課題となりそうだ。

一方、中国やインド、インドネシアなどの成長が鈍化する悲観シナリオでは、アジアが世界のGDPに占める割合は31%と現状レベルにとどまり、1人あたりGDPも2万ドルと楽観シナリオの半分にとどまる。

悲観シナリオは、中国、インドなど高成長を維持してきた国が今後5~10年で「中所得国のわな」に陥るケースだ。賃金上昇によって生産性の伸びが止まり、コスト面で優位に立つ新興国と製品開発力などに優れた先進国の板挟みにあう。悲観ケースに陥った場合は「中南米が過去30年たどった道をアジアも歩む」と指摘する。この場合、高成長国を除く発展途上国の経済も停滞する。

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