農政改革、政府・与党詰め 全中「廃止」6月内にも方針

2014/6/2付
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農協改革と農地の拡大、企業の参入規制の緩和の3点セットを柱にした政府の農政改革が大詰めを迎えている。政府は今月中にJAグループの代表機能を担う全国農業協同組合中央会(JA全中)の「指導権廃止」などを軸にした最終方針をまとめる考えで、すでに与党と調整に入っている。JA全中は反発を強めるものの、農業が再生に向かう青写真を描けるかが焦点だ。

「JAグループ全体の解体につながる内容で、断じて受け入れることはできない」。JA全中は2日、全国の農協の組合長を集めて都内で緊急会議を開き、こうした決議をまとめた。

発端となったのは5月に規制改革会議がまとめた農協の改革案だ。JA全中を中心にした「中央会制度の廃止」と、農家の代わりに農産物の販売などをするJA全農(全国農業協同組合連合会)の株式会社化を柱とする内容だ。

全国に約700ある地域農協の経営の自由度を高めて、国産の優れた農産物が国内外で流通しやすくする。農家がJA全農に支払う手数料負担などを少なくして、手取り収入のアップを狙う。

法改正されればJA全中は農協法で定める「特別な機関」から任意団体に変わり、経団連や全国銀行協会など多くの業界団体と同じ一般社団法人に転換を迫られる公算が大きい。

JA全中幹部は連日、自民党議員に現状維持とするように陳情活動をくり広げている。

ただ、政府の腹は固そうだ。安倍晋三首相は5月19日に開いた産業競争力会議課題別会合に出席し「地域の農協が主役となり、それぞれの独自性を発揮して農業の成長産業化に全力投球できるように抜本的に見直したい」と表明した。

規制改革会議のメンバーは「農林水産省とも水面下で意見交換してまとめた案で、現政権でないと実現できない内容だ」と力を込める。自民党内に慎重論があり折衷案を模索する動きもあるが、ある自民党農林族は「なかなか妙案が思い浮かばない」と表情を曇らせる。

政府は農地の貸し借りや売買の許可権をもつ農業委員会の委員を地元農家から選ぶ仕組みもやめる方針だ。市町村をまたいだ共同事務局を設置し、企業が地域の垣根を越えて農地を借りやすくする。農地を所有できる農業生産法人への出資規制を緩めて、企業が腰を据えて農業に取り組めるようにする。

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