火災保険料3.5%上げ 15年度にも、自然災害増で
損害保険会社の火災保険料が2015年度にも全国で上がる見通しとなった。損保各社でつくる損害保険料率算出機構は2日、保険料の基準となる料率を平均3.5%引き上げると発表した。損保各社は基準改定を踏まえて個別に値上げ幅を決めるが、地震保険料も1日に値上げしたばかりで家計の負担が増しそうだ。
火災保険は火事や台風、水漏れなどによる建物や家財の損害を補償する。火災による被害は減っているが最近は水漏れや自然災害による保険金の支払いが膨らんでいる。収支改善には料率の引き上げが必要と判断した。
上げ幅が大きいのが鉄筋コンクリートのマンションだ。都内の70平方メートルのマンションの場合、現在の火災保険料は年1万8000円程度。保険金が建物2000万円、家財1000万円という平均的な契約の場合、東京都と大阪府で12%、愛知県で20.4%と基準が大幅に上がる。建築から年数がたったマンションでは水道管の劣化による水漏れ被害などが増えているためだ。
損保各社は算出機構の示した基準をもとに、実際の保険料の値上げ幅を決める。収益改善のため保険料を上乗せする損保がある一方で、経費削減などで値上げ幅を抑える損保もあるとみられ、顧客獲得のために各社の対応が分かれる可能性がある。ただ値上げが広がれば、火災保険と同時に加入する地震保険の保険料も7月1日に全国平均で15.5%上がったばかりで家計の負担が一段と増しそうだ。
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