2019年9月17日(火)

消費税、14年4月8%を政府決定 経済対策5兆円
首相「経済再生と財政健全化、両立しうる」

2013/10/1付
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消費税率の8%への引き上げを正式表明し「経済再生と財政健全化は両立しうる」と話す安倍首相(1日、首相官邸)

消費税率の8%への引き上げを正式表明し「経済再生と財政健全化は両立しうる」と話す安倍首相(1日、首相官邸)

政府は1日の閣議で、2014年4月の消費税率8%への引き上げを決定した。安倍晋三首相は記者会見で、増税に備えて企業向け減税に加え、5兆円規模の経済対策を策定すると表明。法人実効税率の引き下げは「真剣に検討を進めないといけない」と強調した。15年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げは「経済状況を勘案して判断時期を含めて適切に決断する」と留保した。

消費税率引き上げは橋本龍太郎内閣で1997年4月に3%から現行の5%に引き上げて以来、17年ぶり2回目。民主党政権だった野田佳彦内閣で12年8月に成立した消費増税法に基づく。3%分の引き上げで消費税収は年8.1兆円増える見通しだが、初年度の14年度は約5兆円増にとどまる。

消費増税への対応策の柱の一つは企業向け減税だ。先端設備を取り入れた企業への減税制度を新設し、賃金を上げた企業を税優遇する制度を拡充する。減税による企業の収益拡大を賃金上昇や雇用拡大につなげ、個人消費の活性化に波及させる狙いがある。東日本大震災からの復興財源にあてる特別法人税は13年度末に1年前倒しで廃止を検討する。首相は「12月中に結論を得たい」と述べた。

首相は「経済再生と財政健全化は両立しうる。経済再生と財政健全化の2つを同時達成するほかに道はない」と力説した。消費増税により財政健全化はひとまず維持され、長期金利の上昇は避けられるとの見方が大勢だ。ただ10%への引き上げは定まっていない。

消費増税による景気の腰折れを避けるため、経済対策を裏付ける5兆円規模の今年度補正予算案を12月上旬に編成する。14年度予算と一体の「15カ月予算」との位置づけだ。公共・復興事業のほか、低所得者に現金を配る簡素な給付措置や住宅購入者向けの給付金などが中心となる。景気回復に伴う税収上ぶれや国債費の不用額を財源にあて、新規国債の追加発行は原則避ける方針だ。

記者会見で8%への消費増税を正式発表する安倍首相(1日、首相官邸)

記者会見で8%への消費増税を正式発表する安倍首相(1日、首相官邸)

首相は「消費税収は社会保障にしか使わない」と理解を求めた。経済対策の中身を決める過程で不要不急の公共事業などが膨らむことになれば、経済再生と財政健全化の両立は困難になる。首相は対策取りまとめに向け、引き続き難しい政権運営を迫られる。

デフレ脱却に向け企業の活力を重視する首相は法人実効税率の引き下げも重視しており、「国際競争に打ち勝ち、世界から日本に投資を呼び込むためには真剣に検討を進めないといけない」と語った。与党は税制改正大綱に「速やかに検討を開始する」と明記したが、首相は15年度からの引き下げも念頭に置いている。

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