財務相がNISA拡充に意欲 非課税枠、年240万円検討
麻生太郎財務・金融相は1日、少額投資非課税制度(NISA)の拡充に意欲を示した。年100万円の非課税枠を240万円に増やすことなどを検討する。政府内には対象年齢を引き下げる案もあり、年末の税制改正論議の焦点となる。拡充が実現すれば、株式投資の拡大に弾みがつきそうだ。
麻生財務相は1日の閣議後の記者会見で、NISAの非課税枠は「次考えるなら、年240万円が現場に合っている」と述べた。毎月20万円ずつの投資を想定し、年240万円の非課税枠を挙げた。
甘利明経済財政・再生相も非課税枠を200万円にする案を主張している。税制を所管する麻生財務相が拡大に言及したことで、具体化へ向けた作業が加速しそうだ。
NISAは上場株式や投資信託などに年100万円以内で投資して得た売却益や配当金に5年間税金がかからない制度。日本在住の20歳以上の人が金融機関に専用口座を設けて利用する。1月に始まり3月までに投資額が1兆円を超えた。
ただ、投資した人の6割超が60歳以上と偏りがある。投資家の裾野を広げて株式市場を活性化するには、制度の拡充が必要とされる。
非課税枠以外にも複数の拡充案が浮上している。長期投資を促すために、非課税の期間を5年から10年程度に伸ばすべきだとの意見がある。政府内には20歳以上という対象を18歳以上にする案も出ている。日本証券業協会は親が子ども名義で長期の資産形成ができる「ジュニアNISA」の導入を求めている。
拡充策は今後、政府・与党で議論し年末にまとめる2015年度の税制改正大綱に盛り込む予定。早ければ16年から拡充する。