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レアアース、カザフと開発 官民で脱中国依存急ぐ

【アスタナ=塙和也】政府は中国の供給に頼ってきたレアアースの調達先を広げる。枝野幸男経済産業相がインドとカザフスタンを訪れ、次世代自動車の開発に必要な種類の確保に道筋を付けた。日米首脳も再利用などの協力で合意。輸出制限を続ける中国に国際的な紛争解決手段も使い打開を迫るが、決着には時間がかかる見通し。官民の連携でレアアースの「脱中国依存」を急ぐ。

カザフスタンを訪問中の枝野経産相は1日、首都アスタナ市内でイセケシェフ産業・新技術相と会談、日本向けレアアースの共同開発と輸出拡大を進める方向で合意した。6月からレアアースの一種であるジスプロシウムをカザフ国内の工場で年間60トン生産する内容。日本の総需要(約500トン)の約1割を確保できる見通しだ。

ジスプロシウムはレアアースの中で特に希少な重希土類で、ハイブリッド車電気自動車に使う磁石に不可欠な素材だ。今はほぼ全量を中国の生産に依存している。政府間の合意を受け、住友商事とカザフの政府系資源公社カザトムプロム社が設立した合弁会社SARECO社が生産や輸出を手掛ける。

さらに信越化学工業がウランからレアアースを精製・分離するために技術協力。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は資金面で協力する。カザフではウランの精製時にレアアースが副産物として取得でき、ほかの国で生産するよりも比較的コストが安く済むという。

 日本とインド両政府は4月30日、自動車のモーターや排ガス削減に使う3種類の軽希土類を8月から日本に輸出することで合意したばかり。この3種類は中国からの輸入比率が9割を占めるが、インドからの輸入分で日本の需要(約2万7000トン)の約1割強を賄える計算だ。同日の野田佳彦首相とオバマ米大統領の首脳会談では、レアアースのリサイクルに向けた研究開発で連携することを確認した。

中国がレアアースの対日輸出を事実上制限し始めたのは2000年代半ば以降。日本側は中国が10年7月に輸出枠を前年比4割削減すると公表したあたりから対策を練ってきた。ただ政府間の協議では折り合えず、3月には日米欧がそろって中国を世界貿易機関(WTO)に提訴した。意見の隔たりは埋まっておらず、WTOの手続きは長引きそうだ。

日本政府は中国に輸出制限の見直しを求め続ける一方で、ベトナムなどと資源開発で協力を確認。民間企業も歩調を合わせる。豊田通商・双日連合がベトナムの現地企業と合弁を組み、13年に同国北西部で生産を始めることになった。オーストラリアでは双日とJOGMECが現地の開発企業に出資し、日本への長期供給を計画する。

自動車や電機の日本メーカーではハイブリッド車の電池に含まれるレアアースを再利用したり、レアアースを使わない省エネ型の産業用モーターを開発したりする例も広がる。政府も関連の技術革新を支援し、供給難に対応する構えだ。

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