日経平均年間3%安、2年ぶり下落 円高などに揺れる
日米の追加金融緩和が下支え

2010/12/30付
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2010年最後の取引となった30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比115円62銭安の1万0228円92銭となり、1年間で3%安と2年ぶりに下落した。この1年、株式相場は1ドル=80円に迫った円高や、先進国の景気動向、欧州財政問題に揺さぶられたが、日米の追加金融緩和をきっかけに流入した投資マネーが下支えとなった。年末にかけては世界的にみて出遅れ感の強まった日本株を見直す動きも広がった。来年の株式相場は先進国と新興国の景気動向をにらみながら、上向く展開を予想する声が多い。

この日は年の瀬で市場参加者が限られるなか、外国為替市場で円相場が1ドル=81円台前半と、11月上旬以来の水準に上昇したことが嫌気され、ホンダソニーといった輸出関連株を中心に利益確定売りに押された。大納会で下げるのは2年連続。再び浮上した円高懸念は来年に持ち越す形になった。

この1年を振り返ると、日経平均の年間高値は4月5日の1万1339円だった。企業収益や米景気の回復期待が押し上げたが、年初からくすぶってきたギリシャなどユーロ圏の財政・金融不安が、5月連休を挟み再燃。リスク資産の圧縮や、外為市場で比較的安全とされた円を選好する動きが進んだ。円高による輸出採算の悪化懸念が重なり、8月末の8824円まで下値を探る展開が続いた。

株価反発のきっかけとなったのは日米の追加金融緩和だ。日銀は10月に上場投資信託(ETF)などの買い入れを含む、大胆な金融緩和策を打ち出した。米連邦準備理事会(FRB)も11月に米国債の追加購入を決め、だぶついた資金の流入に弾みがついた。米追加緩和の正式発表後に円高が加速しなかったことも安心感を誘い、日本株の出遅れ修正につながった。

今年は歴史ある名門企業の"入退場"も話題だった。経営難の末に会社更生法の適用を申請した日本航空は2月19日、株価1円で48年余りの上場に幕を下ろした。その一方で、株式会社に衣替えした第一生命保険が4月、大塚ホールディングスが12月に東証1部に新規上場した。それぞれ時価総額が1兆円を超す大型デビューとして注目を浴びた。国内の新規株式公開(IPO)は22社と、低水準ながら4年ぶりに増えた。

市場では円高に警戒感が強いが、来年の相場に期待の声も聞かれる。相場格言では「卯(う)年は跳ねる」とされ、卯年の日経平均は戦後の1951年以降、上げが4回、下げ1回で4勝1敗とまずまず。今年は円高に振り回されたが「リーマン・ショック後、日本企業のコスト構造改革が相当進み、円高に抵抗力があることに市場の評価が浸透した」(みずほ投信投資顧問の荒野浩理事)ともいえる。来年は引き続き円高の行方と、欧州問題やインフレ懸念高まる新興国の金融政策などリスク要因を念頭に置きながら、国内外の景気回復の兆しを手探りしながら、跳躍をうかがうシナリオを描く市場参加者は多い。

〔日経QUICKニュース 篠崎健太〕

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