2018年6月19日(火)

キヤノン副社長「15年からの飛躍へ周辺事業強化」

2014/1/29付
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 キヤノンは29日、2014年12月期の連結純利益(米国会計基準)が前期比4%増の2400億円になる見通しだと発表した。増収増益を見込むが、スマートフォン(スマホ)の普及のあおりを受けたデジタルカメラの販売低迷という課題は残っている。29日記者会見した田中稔三副社長の主なやり取りは以下の通り。

 ――14年3月期は増収増益予想だが、デジタルカメラを含むイメージングシステムビジネス部門が減収見通しと厳しい状況が変わらない。

 「コンパクトデジタルカメラは11年くらいからスマホに押されている。レンズ交換式デジタルカメラは景気が思わしくない状況でも非常に力強く伸び、当社の業績もリーマン・ショック以降、レンズ交換式カメラに依存した状況だった。しかし13年あたりからレンズ交換式も対前年で台数が減ってきている」

 「その大きな市場の変化を完全には解析しきっていないが、景気の低迷が長期化することによって消費者の行動が変わってきた。今までは『一眼レフ』という魅力が高かったのでそういうなか(景気低迷期)でも買おうという傾向だったが、だんだん(一眼レフが)消費の優先順位のトップでなくなったようだ」

 ――力強い成長を実現するために今期の目標は。

 「14年にレンズ交換式カメラ市場は今までとは違った変化があるとみており、それに対応できるような体制を作っていく。今年は常に15年からの飛躍を目指す準備の年にしたい」

 「基本的には既存事業からかけ離れた事業を目指すより、リスクを抑えながら既存事業の周辺事業を強化していきたい。例えば映画産業に食い込んでいるカメラや、高機能のインクジェットプリンターなどだ。一つ一つはそれほど大きな売り上げの柱になるようなものではないが、そういうものを足しながら安定成長するのがこれまで歩んできた道だ」

 ――円安が進行しているなか、国内の生産比率は上げるのか。

 「海外に生産拠点があるものは根が生えているので、海外生産をやめて日本に持って帰るということはしない。今から例えば新製品を作るときに無理ない限りで日本での生産を増やしていこうという方針だ」

 「為替は少なくとも数年間は今のような水準が大きく変動するようなことはあり得ないのではないか。人件費はアジアでも最低賃金が引き上げられ、日本とのギャップが一部縮小している」

 「積極的に行っているのは生産体制の見直しだ。特にロボットを使った生産工程、人とロボットを介在させることによって一番効率的な生産体制を求めようとしている。生産自動化をレンズの組み立てなどにも一部広げ、(アジアでより高いとされる)日本での生産コストに占める人件費をある程度は無視できるような生産体制の見直しを実施している」

 ――消費増税の影響は改めてどうみているか。

 「すでに一部国内の販売会社では前倒しで、売り上げが上がっている。そのため必ず反動が起こることはある程度仕方ないが業績に及ぼすような大きな影響とは考えていない。反動があったにしても影響は微々たるものという解釈だ」

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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