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米インフレ連動債利回り、初のマイナス 大幅緩和期待

5年物、マイナス0.550%で落札 物価上昇織り込む

【NQNニューヨーク=滝口朋史】米財務省は25日、5年物の物価連動国債の入札を実施した。最高落札価格で計算した利回りがマイナス0.550%と、物価連動債として初めてゼロ%を下回った。米連邦準備理事会(FRB)が追加的な金融緩和策として、米国債の購入と市場のインフレ見通しを高めるような政策を導入するとの観測が強まっている。償還まで保有した場合は損失につながる可能性があるが、将来的に物価が上昇すれば元本や利払いが増加するため利息を払ってでも購入したいという投資家が多かった。

米国の物価連動債は表面利率(今回債は0.50%)が固定されている。米消費者物価指数(CPI)に連動して元本が増減するため償還価格や利払いが増減する。今回入札の物価連動債は、4月発行の5年債に銘柄統合される。物価上昇を考慮した落札価格は元本100に対して105.508607と4月発行債から5.8%の大幅上昇となった。

米物価連動債の償還価格は発行価格か、物価上昇率を加味した価格のいずれか高い方になる。落札価格が発行価格を大幅に上回り、物価の上昇率が低位で推移すると償還価格が落札価格を下回る可能性がある。これまでの最低落札利回りは4月債の0.550%で、この水準から価格上昇(利回り低下)が進みマイナス圏での落札になった。

12日にFRBが公表した9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、米長期国債購入や短期的な市場のインフレ期待を高める手段を議論していた。11月2~3日のFOMCで決めるとみられている追加緩和が、意図的なインフレ喚起策(リフレ策)になるとの観測が市場のインフレ見通しを高めている。

FRBの統計では、5年物物価連動債の利回りはFRBがFOMCで住宅ローン担保証券(MBS)の償還資金を米国債購入に充てると決めた8月10日に、流通市場で初めてマイナス圏に低下。9月下旬以降はマイナス圏での推移が定着し10月14日に最低水準となる0.49%を付けた。

通常の利付国債から物価連動債の利回りを差し引いた値は「期待インフレ率(BEI)」といい、市場のインフレ期待を示すとされる。5年債のBEIは14日に1.67%と、6月下旬以来の水準まで上昇。インフレ期待の低下に対するFRBの危機意識が浸透し、市場では米国の物価がFRBの使命である雇用最大化と物価安定に最適とみなす水準に戻るとの見方がじわりと広がっているようだ。

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