KDDI純利益7%減 12年3月期、4期ぶり増収
KDDIが25日発表した2012年3月期の連結決算は、純利益が前の期に比べ7%減の2386億円だった。法人税率の引き下げを受けて、繰り延べ税金資産の取り崩しが発生。法人税等調整額の増加が利益を押し下げた。本業の通信事業では固定電話のコスト削減などが進み、営業利益は前期比1%増の4776億円と過去最高を更新した。
売上高に相当する営業収益は4%増の3兆5720億円と4期ぶりの増収だった。主力の携帯電話事業は、端末の販売台数が順調に伸びた。半面、割安な通話プランが広がったほか、端末原価の上昇などで、携帯電話事業の営業利益は5%減の4191億円だった。携帯電話の契約当たり月間収入(ARPU)は4510円と、前期(4940円)に比べ減少した。
年間配当は前期比2000円増配の1万6000円。期末配当を8500円と従来予定の7500円から増やした。
2013年3月期の連結純利益は前期比5%増の2500億円を見込む。営業収益は微増の3兆5800億円、営業利益は5%増の5000億円を見込む。年間配当金は、9月末に実施する株式分割を考慮しない額で1株当たり前期比1000円増配の1万7000円を予定する。
証券取引所が売買単位を100株に集約するよう求めていることに応じ、9月末時点の1株を100株に分割したうえで、売買単位を100株にする。
記者会見した田中孝司社長は、提携ケーブルテレビ会社などの固定電話加入者に高機能携帯電話(スマートフォン)通信料を最大3割下げる新料金「auスマートバリュー」の成果が出始めていると強調。新料金は3月から適用を始めたが、「スマートフォンで利用料金が高くなると見て、乗り換えを見送っていた層を取り込めている」と話した。今期のスマートフォン販売台数は800万台(前期は563万台)を計画する。〔日経QUICKニュース〕
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