東芝(6502)は22日、都内で定時株主総会を開いた。佐々木則夫社長は冒頭に「日本市場での成長も維持しながら、海外売上高比率を高める。新興経済地域では売上高2ケタ成長を実現する」との方針を示した。
株主からは原子力事業に関する質問が相次いだ。佐々木社長は「原子力そのものは国の施策だ。我々の技術で国の方針に貢献することが責務と考えている」と答えた。海外展開については「米国や中国など原子力に対して前向きに政策を進めている国には、積極的に売り込みたい」と述べた。
日立製作所(6501)や三菱電機(6503)に比べて株価が低迷していることに関しては室町正志副社長が、「変動要因の大きいテレビや半導体事業の割合が多いことが一因のようだ」と説明。「テレビ事業に関しては海外委託生産や新興国での事業拡大を進める。半導体事業は拠点の再編・売却、生産効率の引き上げなどに取り組む」と今後の方針を述べ、理解を求めた。佐々木社長も「今の株価にはじくじたるものがある。上げていきたい」と述べた。
増資に関する質問については、佐々木社長が「現状の有利子負債に対する資本の比率からみて必要ないので、当面やる意思はない」と述べた。
株主総会は午前10時に始まり、午後12時19分に終了した。参加者数は4665人(前年は5215人)だった。取締役14人の選任など会社側の2提案を賛成多数で可決、定款変更を求めた株主提案は否決した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕