岩田副総裁、デフレ「貨幣的な現象」 通貨量と物価「長期で相関」
日銀の岩田規久男副総裁は21日の就任記者会見で、デフレの原因を問われ「貨幣的な現象だと考える」と述べた。世の中に出回っているお金の総量を示すマネーストック(通貨供給量)と物価上昇率の関係は「長期的にみると相関性が高い」との見方を示した。
マネーストックに関しては、足元で増えていないことを注目すべきだと指摘した。「インフレやデフレが貨幣的な現象だというのは、足元のマネーストックと物価上昇率の間に関係があると言っているのではない。将来は貨幣供給がどこかで出てくると(世の中の人々が)予想し、そこでインフレになるから、だから今のうちに買っておいた方がいいという行動が出てくる」との主張を展開した。
デフレからの脱却局面の最初に貨幣に起こることとして、量が増える前に「流通速度が速まる」と説明。企業は大量の内部留保を抱えているため、銀行融資がすぐに増えるわけではないとした。「銀行貸し出しは3年半から5年くらい増えない。そこから長期的には増えている」と語り、貨幣量と物価の相関関係はあくまで長期的なものと強調した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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