NY株ハイライト 連日の高値更新も気になる逆風 豚肉急落が話題に

2012/9/13付
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【NQNニューヨーク=増永裕樹】12日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、2007年12月28日以来約4年8カ月ぶりの高値をつけた。米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和へ踏み切るとの予想が高値更新の原動力だ。しかしこのまま上昇基調が続くと判断するのは早いだろう。目を凝らしてみると米経済には気掛かりな動きがある。

好事魔多し。連日で高値更新を続ける米株式相場だが、良いことには邪魔が入りやすい。米経済に静かに吹く逆風を象徴したのが、食肉加工大手のタイソン・フーズだった。

米農務省が12日発表した9月の穀物需給によると、大規模な干ばつの影響で今年度のトウモロコシの生産量は前年比13%減る見込みだ。6年ぶりの低水準ながら市場予想は上回った。タイソン株は、飼料価格の高騰がやや収まるとの見方から3%近く上げる場面があった。穀物を巡るわずかな動きに一喜一憂する地合いは、干ばつの影響を警戒する雰囲気の裏返しにほかならない。

市場で話題になっていることがある。豚肉相場の急落だ。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場する豚肉先物(期近)は7月の高値から約3割下落した。飼料高に堪えかねた業者が手持ちの豚の出荷を急いだためといい、約1年半ぶりの安値まで水準を切り下げた。一方、ほぼ同じ時期にトウモロコシ価格は約4割上昇。飼料高に苦しむ業界の姿を映し出す。

暗雲に覆われているのは食肉業界だけではない。トラックメーカーのパッカーは11日、2012年7~9月期の生産台数が4~6月期比で15~20%減る見込みだと発表した。ボブ・クリステンセン副社長は「北米市場の顧客が緩慢な景気回復を見極めるために発注を控えている」と指摘。北米での苦戦を10%減との従来予想からの下方修正の主因と説明した。

クレディ・スイスのジェイミー・クック氏は「北米の落ち込みは25~30%に達する」と推定する。物流の要であるトラックの需要は景気動向を映し出す重要な鏡の一つだ。景気減速が著しい欧州ではなく、お膝元である北米の低迷が主因との現実は軽んじることはできない。

追加緩和への期待が市場を覆っているとはいえ、景気や企業収益が株価を決定する重要な要因であることは間違いない。金融政策への注目が一段落した後は再び景気動向に焦点が当たる展開はあり得る。FRBが米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表するまであと1日。米株式相場の「基礎体力」が試されることになる。

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