2019年1月20日(日)

日本の政策「国債の問題に直結」 高田氏
日経景気討論会

2012/1/12付
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日本経済新聞社と日本経済研究センターが12日午後開いた景気討論会では、国内政策について、野田佳彦政権が進める社会保障と税の一体改革や環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の参加方針などを支持する半面、経済成長と財政再建の両面でスピード感をもって推し進めることが重要との声が聞かれた。

みずほ総研チーフエコノミストの高田創氏

みずほ総研チーフエコノミストの高田創氏

みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは「最近の金融市場を見ていると、国債でちゃんとファイナンスできているところが生き残っている。日本が持っているのは国債に対する信認だ」と指摘した。そのうえで「(国債の)信認の大前提は経常収支が黒字であることだが、経常収支の点では原子力発電を含むエネルギー政策をどう進めるかは非常に重要だ。成長の点ではTPPの問題を含めて市場をどう確保できるかだが、TPPにしてもエネルギー問題にしても(すべて)国債の問題に直結する」との認識を示した。

日銀の前田栄治調査統計局長は「日本の債務残高は極めて高水準にあるが、国債市場が安定している。これは市場参加者がいずれ抜本的な取り組みを進めると信じているからだ。ただ市場の見方は非連続的に変わるものなので、市場から信認を得られている今のうちに財政再建を進めていかなければならない」と指摘した。

新日本製鉄の三村明夫会長は、TPPについて「日本は国内総生産(GDP)に占める外需の比率が極めて小さく国内主体で成長してきたが、(少子化などで)このモデルには限界が来ている。日本の成長のカギは新興国など成長しているマーケットを取り入れるしかない。野田政権のTPP交渉参加はようやく閉塞感から脱出できる一つの重大な決断。あとは実行するのみでいかにタイムリーにはやく交渉を進められるか大いに期待したい」と述べた。

日本経済研究センターの岩田一政理事長は、金融政策についてふれ「例えばM&A(企業の合併・買収)は円で資金調達して実施すれば円安要因になる」としたうえで「仮に今の円高が日本にとって非常に打撃があるのならば、中央銀行も政府も民間もこうした対応を進めるべきだ。そうしないと成長見通しの実現やデフレ克服も解決しないのではないか」と主張した。〔日経QUICKニュース〕

高田創氏(たかた・はじめ) 1982年東大卒、日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)入行。86年オックスフォード大学修士課程修了。2000年みずほ証券事業営業グループ投資戦略部長チーフストラテジスト、11年執行役員チーフストラテジスト、みずほ総合研究所常務執行役員調査本部長チーフエコノミスト。

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