2019年1月19日(土)

米高官がアベノミクス支持、円安加速で94円台半ば

2013/2/12 8:28
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【NQNニューヨーク=滝口朋史】11日のニューヨーク外国為替市場では、米高官から飛び出した安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」支持の発言で円安・ドル高が加速した。円は一時1ドル=94円46銭と、2010年5月5日以来、約2年9カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。通貨安競争を巡る不安が世界でくすぶるなか、日本が米政府の「お墨付き」を得たとの見方は円の売り方にとって心強い援軍となった。

「デフレ克服と経済成長の活性化に向けた努力を支持する」。ブレイナード米財務次官は11日の記者会見で、アベノミクスを評価した。折しも欧米メディアが先進7カ国(G7)が通貨安競争の回避に向けた共同声明を準備していると報じたばかり。アベノミクスをきっかけに進行した円安が念頭にあるとみられていただけに、米国の日本支持発言は市場に驚きを誘った。

ブレイナード次官は「日本とともにG7による(為替に関する)重要な合意を堅持すべく協調する」とも述べ、アベノミクスの大胆な金融緩和が政府・日銀による人為的な円安誘導に陥らないようクギを刺すことも忘れなかった。報道によるとG7が共同声明を検討し始めたきっかけは、安倍晋三首相や与党幹部が昨年12月の就任前後に具体的な円相場の水準に発言したことが問題視されたためだ。

ブレイナード次官の発言は、ロイター通信が報じたG7声明案とほぼ一致する。ロイターは「為替相場が市場で決定されることや(政府が)通貨を誘導する対策を講じない」ことを主張する内容になると報じていた。

G7声明の報道に対し、市場では「声明が発表されても円安基調に変化はない」(フォーリン・エクスチェンジ・アナリティクスのデービッド・ギルモア氏)と冷静な声が多かった。報道された声明は通貨安競争への批判を鎮めるのが目的で、日本が金融緩和の副産物として円が下げたと主張できる余地があるためだ。

国際社会は日銀の金融緩和がデフレ脱却には不十分だと主張してきた。声明が日銀の金融緩和路線を妨げる内容にはならないとの読みも市場にあった。安倍内閣でも麻生太郎副総理・財務・金融相が「円が結果的に安くなっている」と主張し、円安誘導との批判に反論している。

市場参加者の脳裏には株高と円安が分かち難く結びついている。甘利明経済財政・再生相が9日、「株価が上がるように次々と手を打っていきたい」と発言。11日の市場では日銀に金融緩和に向けた圧力が改めて強まるとの見方が円売りを誘った。日本が米政府の支持を得た今、円売り派が一段と勢いを増しそうだ。

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