ミセス・ワタナベ、今度はユーロ買い 「欧州いずれ沈静」

2011/7/12 14:42
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欧州債務問題はギリシャへの警戒感が再び強まったうえ、財政不安がイタリアなどにも飛び火。外国為替市場でユーロは主要通貨に対して大幅に値を下げ、12日の東京市場では対円で3月18日以来、約4カ月ぶりの安値を付けた。ところが外国為替証拠金(FX)取引では、ユーロ買い・円売りの比率が急速に高まっている。「ミセス・ワタナベ」の通称で知られる日本の個人投資家は、ユーロ急落に買い向かっている。

東京金融取引所の「くりっく365」の売買動向をみると、「ユーロ・円」取引におけるユーロ買い・円売りの未決済残高(建玉)の比率が11日時点で81.3%と前営業日8日の69.9%から大幅に上昇し、1月10日(83.7%)以来、半年ぶりの高水準となった。前週には50%を下回る「ユーロの売り越し」の状況が続いていたが、急速に値下がりするユーロをみて、値ごろ感から大幅な「買い越し」に転じている。

FX会社が自ら提示した価格で売買する店頭FXでも状況は同じだ。FXプライムでは11日のユーロ買い・円売りの比率が91.5%と、前営業日の83.3%から急上昇した。市場では「節目とみられた113円を抜けてユーロ安・円高が進めば、ユーロを買っていた個人から損失確定の売りが出るのではないか」との見方もあったが、「逆にユーロの下落をみて買い意欲を強めている」(FXプライムの柳沢浩チーフアナリスト)という。

ギリシャの債務不安がイタリアなどに波及しているが、個人の間では「いずれは沈静化し、ユーロは反発に向かう」との期待が根強い。相場の流れに逆行し、安い水準で買って反発した時点で売るという「逆張り」の投資手法は健在だ。

欧州から国内に目を移すと、原子力発電所の再稼働の時期を巡って不透明感が強まるなど、日本の政治・経済の先行きにも難問が山積している。「国内の動向をみれば、日本の個人投資家が円を売って外貨にシフトする動きはしばらく続く」と岡三オンライン証券の武部力也投資戦略部長は指摘する。

FXでは低金利の円を売って相対的に金利の高い通貨を買えば、金利差に相当するスワップポイントを受け取ることができる。欧州中央銀行(ECB)は今月7日に政策金利を0.25%引き上げたばかり。金利差益を着実に稼ぎたいとの思惑も個人のユーロ買い・円売りにつながっている。〔日経QUICKニュース 渡辺晃〕

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欧州財政不安に揺れる市場

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