日立、2期連続で最高益 前期純利益3471億円
事業売却益で
日立製作所が10日発表した2012年3月期の連結決算(米国会計基準)は純利益が前の期比45%増の3471億円で、2期連続で過去最高益を更新した。ハードディスク駆動装置(HDD)事業を米ウエスタン・デジタル社に売却したことや、中小型液晶パネル事業を官民ファンドの産業革新機構や東芝、ソニーなどと共同出資するジャパンディスプレイ(東京・港)に譲渡したことが寄与した。
売上高は4%増の9兆6658億円。子会社の日立物流(9086)がバンテックを連結子会社化したことや情報・通信システム事業でメンテナンスなどのサービスが堅調に推移したことが寄与した。一方、電力システム事業で海外の火力発電向け案件に遅れが出たことや、薄型テレビの市況悪化、タイ洪水の影響でデジタルメディア・民生機器事業が営業赤字になったことが響き、営業利益は7%減の4122億円だった。
13年3月期の連結業績は、純利益が前期比42%減の2000億円、売上高は6%減の9兆1000億円を予想。年間配当予想は未定。売却した事業の売り上げや、事業売却益がなくなることが響く。営業利益はコスト構造改革などにより16%増の4800億円を見込む。想定為替レートは1ドル=75円、1ユーロ=100円。〔日経QUICKニュース〕