カップケーキ大手クラムスが操業停止、マグノリアなどに押され
【NQNニューヨーク=横内理恵】カップケーキ大手のクラムス・ベーク・ショップが8日、全面的に操業を停止すると発表した。業績低迷が背景で、連邦破産法第11条の適用申請などを模索する見通し。株主資本や時価総額などの上場基準を満たせなくなったため、ナスダック市場を運営するナスダックOMXグループは7月1日付で同社のナスダック上場を廃止していた。米国民の生活に浸透している代表的なスイーツであるカップケーキを巡る競争の厳しさが鮮明になった。
クラムスは2003年に創業した後、米東部を中心に事業を拡大し、11年にナスダック市場に上場した。有名ドラマに登場したことでも知られ、6月に日本にも進出した「マグノリアベーカリー」を含む競合他社の人気に押されていた。消費者が健康志向を強めていることもあり、甘味の強い同社製品は販売が伸びず、業績が悪化していた。クロワッサンとドーナッツを組み合わせた流行の「クロナッツ」の類似製品である「クラムナッツ」や、グルテンフリーの新製品を投入したものの、業績を立て直せなかった。