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外債離れ加速 投信の流出額、リーマン直後並み

個人投資家の外国債券離れが加速している。欧州の債務危機の広がりを受け、欧州国債など外国債券で運用する投資信託からの資金流出が続いており、11月の流出額はリーマン・ブラザーズ破綻直後の2008年10月以来の規模に膨らんだ。欧州問題は解決に至る道のりが遠く、個人マネーが再び外債投資に向かうには時間がかかりそうだ。

財務省が8日公表した11月の対外・対内証券投資(指定報告機関ベース)によると、株式や債券を含めた海外証券に対する国内投資信託の投資は6364億円の売り越しだった。売り越し規模はリーマン・ブラザーズの破綻直後の2008年10月(6555億円)以来の大きさだ。なかでも中長期の外国債券の売り越しが4375億円と際立っており、こちらも08年10月(8246億円)以来の規模に増えた。中長期外債からの資金流出は4カ月連続で、おさまる兆しが見えない。

外債からマネーが流出している要因は2つある。まず、投資信託の運用会社が投資対象から外債を外し、円債などに資金をシフトしていることだ。国際投信投資顧問が運用する国内最大の投資信託「グローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)」は11月に入り、財政懸念が高まったイタリア、スペイン、ベルギーの各国債を売却した。代わりに日本国債などを買い増しており、12月2日時点で日本国債の組み入れ比率は21.2%と1カ月前に比べ4.4ポイント拡大している。

もう1つは、個人投資家による投資信託そのものの売却だ。グロソブに代表されるような欧州など先進国の債券を組み込んだ投資信託だけではない。指摘されるのは「新興国の債券を対象とする投資信託の換金売り」(SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジスト)だ。とりわけ個人投資家の人気が高かったブラジル関連の投資信託の苦戦が目立つ。例えば、大和証券投資信託委託がブラジル債券で運用する「ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型)」。純資産総額は6000億円を超えるが、11月だけで約100億円が流出しているもようだ。

欧州の金融不安を背景に欧米の金融機関が新興国から資金を引き揚げる動きが広がる恐れがあり、新興国はマネー流出に伴う通貨や債券など資産価格の下落に対する警戒感を強めている。この流れをニッポンの個人マネーも敏感にかぎ取っている。外債運用に二の足を踏むマネーが再びキャッシュ(現金)に姿を変える結果、積み上がるのは銀行預金だ。めぐり巡って、「国内金融機関の円債運用を促す」(みずほ証券の末広徹マーケットアナリスト)ことになる公算が大きい。〔日経QUICKニュース 大谷篤〕

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