日銀月報、景気「緩やかに回復している」 2カ月ぶり上方修正
日銀は6日、9月の金融経済月報を公表した。国内景気は「緩やかに回復している」と指摘し、前月の「緩やかに回復しつつある」から判断を引き上げた。個人消費や設備投資などで所得から支出への好循環が見られ始めたため。景気判断の上方修正は2カ月ぶりで、「回復している」という表現を使ったのはリーマン・ショック後では初めてだ。
設備投資は「企業収益が改善するなかで、持ち直しつつある」と前月から判断を前に進めた。個人消費は「引き続き底堅く推移している」との見方を維持したものの、「雇用・所得環境に改善の動きがみられる」と指摘。企業収益が改善するなかでファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の改善が伴い始めたとの見方をにじませた。輸出は「持ち直し傾向にある」に表現を改めた。
消費者物価(生鮮食品除く)の前年比上昇率は「0%台後半となっている」と指摘。先行きは「プラス幅を次第に拡大していく」と見込んでいる。予想物価上昇率は「全体として上昇しているとみられる」との見方を維持した。
国内景気の先行きについては、「緩やかな回復を続けていくとみられる」との見通しを示した。海外経済が持ち直すことなどを背景に輸出が緩やかに増加するほか、国内では住宅・設備投資や公共投資などが増えるとの見方が背景にある。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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