2019年2月19日(火)

日銀、「質的・量的金融緩和」を導入 銀行券ルールは一時適用停止

2013/4/4付
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日銀は3~4日に開いた金融政策決定会合で、「量的・質的金融緩和」の導入を全員一致で決めた。黒田東彦総裁が就任してから初めての会合で、長期国債や株価指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)の買い入れ増額のほか、金融市場調節の方針を無担保コール翌日物金利からマネタリーベース(資金供給量)に変更することも決定。消費者物価の前年比上昇率2%の物価安定目標については「2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する」と表明した。

金融市場調節の操作目標として、新たに「マネタリーベース・コントロール」を採用することも決めた。そのうえで「マネタリーベースを年60兆~70兆円に相当するペースで増加するよう調節する」との方針を示し、2012年末に138兆円だったマネタリーベースは14年末にほぼ2倍の270兆円となる見通し。

長期国債の買い入れも拡充する。保有残高が年50兆円に相当するペースで増加するよう買い入れることとし、月あたり7兆円強の購入を進める見込み。「イールドカーブ全体の金利低下を促す観点」から、対象は40年物国債を含む全ゾーンとし、買い入れる国債の平均残存年限を現在の3年弱から7年程度に延長する。「資産価格のリスクプレミアムに働きかける観点」から、ETFは年1兆円、REITは年300億円をそれぞれ買い入れる。

「量的・質的金融緩和」については、「物価安定目標の実現を目指し、安定的に持続するために必要な時点まで継続する」とした。新たな緩和方針を採用したことで、白川方明前総裁が創設した「資産買い入れ等基金」を廃止。同基金による国債買い入れを、通常の資金供給のための長期国債買い入れに統合する。併せて、日銀が保有する長期国債の残高を銀行券の発行残高の範囲内とする「銀行券ルール」の適用を一時停止する。長期国債の買い入れは「金融政策目的であり、財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)ではない」と明記した。

市場との対話を強化するために、市場参加者との間で市場調節や市場取引全般について意見交換する場を設けることを決定。当面の国債市場の流動性に支障が生じないように、国債補完供給制度の要件の緩和も決めた。一連の緩和策とは別に、被災地金融機関を支援する資金供給制度を1年延長することも決めた。

新たな緩和方針の採用については、いずれも全員一致で決めた。ただ、木内登英審議委員は物価安定目標の達成時期について「2年間程度を集中対応期間と位置付け」とし、「量的・質的金融緩和の継続」に関するコミットメント(約束)の文言を削除するなどの提案をした。だが、賛成1・反対8で否決された。

国内景気については「下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている」との認識を示し、前月の「下げ止まっている」から判断をわずかに引き上げた。先行きは堅調な内需と海外経済の成長率の高まりを背景に「緩やかな回復経路に復していく」とした。

黒田東彦日銀総裁は就任後初の決定会合で、従来の主張通りに大胆な金融緩和に一気に踏み込んだ。公表文では量的・質的金融緩和が物価安定目標の実現に向けた姿勢を裏打ちするものだと強調。「実体経済や金融市場に現れ始めた前向きな動きを後押しすると共に、高まりつつある予想物価上昇率を上昇させ、デフレからの脱却に導くもの」との考えを示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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