あといくつ山を越せば…急坂だらけの六甲縦走

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2014/4/12 7:00
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滑落したら無事では済まない(神戸市)=写真 浦田晃之介、以下同じ

滑落したら無事では済まない(神戸市)=写真 浦田晃之介、以下同じ

油断していた。六甲をなめていた。一体いくつ山を越えただろうか。スタートから2時間半、まだ16キロしか進んでいない。3月15日に開催された「神戸六甲縦走トレイルラン」。延々続く急な階段を登り切って菊水山(標高458メートル)の頂上に着いたところで、脚が鉛のように重たくなっていた。残り24キロを残し、既に8割方体力を消耗した感覚だ。太ももの前の筋肉がピクッと動いた。もう攣(つ)りかけている。

腰を下ろすと疲れが噴出?

広い山頂では疲れ切ったランナーが大勢、腰掛けて休んでいる。一度腰を下ろすと一気に疲れがたまる気がして、立ったまま呼吸を整え、水と食料を体内に流し込んで歩き出す。来し方を振り返ると、住宅街、尾根の先に美しい瀬戸内海が見える。スタート直後のように「いい景色だ」と味わう心の余裕はない。

霧氷と雪で冬景色となった六甲山を走る

霧氷と雪で冬景色となった六甲山を走る

再び行く先に目を転じると、視線はどうしても下り道の先にそびえる険しい山々に注がれる。「まだあれを越えないといけないのか」。遠くが見えるとつい先のことを考えてしまい、今に集中できない。見晴らしが良すぎるのも考え物だ。地図に描かれたギザギザの高低図は、この先も厳しい登り下りが続くことを示している。

1カ月前に出場した奄美大島のトレイルランニング大会で50キロを走りきった。2週間前の静岡マラソンでは自己ベストタイムを15分も更新している。神戸六甲縦走は両レースより短い40キロではないか。どこかおごった気持ちもあって、気合、準備とも不足していた。

前日深夜、いつものように夜行バスに乗り込み早朝に大阪入り。電車で1時間かけてスタート地点の須磨浦公園駅に着いた。海沿いの公園内のベンチで慌ただしくテーピングや着替え、荷物入れ替えなど準備を済ませると、もう第1組の約70人がスタートしている。バタバタした中、15分後には6組目で走り始めていた。

海沿いに並ぶ神戸の街は、すぐ背後に六甲の山々が迫る。今大会の大部分のルートと重なる「六甲全山縦走路」は、須磨をスタートして宝塚まで、西から東へやや北に偏って延びる全長56キロのルートだ。尾根筋へ向かって多くの登山道が延びており、車やロープウエーでもアクセスしやすいため、日ごろからハイキング客や登山者でにぎわう。最近はトレイルランナーも増えており、大会中も多くのランナーとすれ違った。

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