シャープの太陽光パネル、ベランダ手すりも発電に活用
シャープは、ガラス建材がわりに使える建材一体型の太陽電池モジュール5機種を7月31日に発売した。薄膜シリコン(Si)型太陽電池にスリットを入れることで、開口率を10~20%確保する。スリット部分は発電しないため、一般的な太陽電池モジュールに比べてモジュール変換効率は下がるが、カーテンウオールや手すり面などを発電に活用しながら、採光や眺望も確保できる。


同社はシースルー太陽電池モジュールを2006年に葛城工場(奈良県葛城市)で製品化。2012年10月から、窓ガラスやベランダの手すりとして設置できる「NA-B095AA」を堺工場(大阪府堺市)で受注生産してきた。今回は、設置場所や開口率の違いに応じて5機種を追加。マンションのベランダ手すりやカーテンウォール、ひさしなどに利用する。
ベランダの手すりへの採用を想定した「NA-B07A/B」は、通風を考慮して外形寸法が高さ701mm×幅1001mm×厚さ9.5mmと、従来機種のNA-B095AA(1001mm×1402mm×9.5mm)に比べて高さを約70%に抑えた。また、耐静荷重性能をNA-B095AAの約1.9倍に高め、高層マンションにも設置できるようにした。Aが開口率10%で公称最大出力(以下、出力)46W、Bは開口率20%で出力39W。設置場所などに応じて、出力と開口率のどちらを優先するか選ぶことができる。
カーテンウオールにも採用
カーテンウオールへの採用を想定する「NA-B11A/B」は、標準的な柱間(1200mm)に対応するため、複数のモジュールを接続する配線やサッシの幅を考慮して横幅1150mmで設計した。トップライトにも使える。Aは開口率10%で出力77W、Bは開口率20%で出力66Wとした。さらに、開口率20%、出力80Wで従来機種のNA-B095AAと同じ大きさの「NA-B14B」を製品系列に加える。
価格はオープンだが、NA-B07A/Bで1平方メートル当たり20万円前後、NA-B11A/Bで同25万円前後になる見込み。今回はマンションなどに向けた製品をそろえたが、今後は戸建て住宅向け製品の開発も視野に入れるとしている。
(ライター 赤坂麻実)
[ケンプラッツ 2013年7月31日掲載]
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