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アイデアを実現できる日本を始めよう 読者からの投稿

第25回(8月6日)

日本に前例踏襲の余裕はありません。新しいアイデアを実現しなければ、衰退が続くだけです。未来面では「アイデアを実現できる日本を始めよう」のテーマで読者のアイデアを募集したところ、熱意のこもった投稿を多数いただきました。当コーナーでその一部をご紹介します。

社内特区

中山勉(49) 神奈川県 電子機器メーカー管理職

ある意味で身分が保障されているサラリーマンこそがリスクを張って企業変革の声をあげるべきです。企業には、「眠っているアイデア」や「声に出せないアイデア」などが埋もれているはず。インキュベーションを扱う人材を置いた「社内特区」を新設、社員が自由にアクセスしながら構想の具現化を相談できる土壌を作るのです。そこではメンバーは自由な発想を語り、有力なアイデアには資金的サポートも行う。埋もれていた有望な技術に、知識や知恵が集積することで、新たな価値を創出する起爆剤になります。

金融統合ファンド 豊田広英(47) 京都府 染色加工業経営

新しい会社を簡単に創れる、起業しやすい社会を創り出すことが大切です。実現すれば、個人の金融資産を有効に使うことができるだけでなく、金利が上がることで預金者に、IPO(株式公開)で投資家にもチャンスが広がると思います。そのためにも、異業種を結び付けることで付加価値を創りだしていく金融面での仕組みが必要でしょう。具体的には、(1)全国の同じ研究を進めている教授をコラボして特許を申請し、それを企業に使ってもらう「特許ファンド」(2)大学に行きたい生徒に奨学金を提供、卒業後に返済するような「スカラーシップファンド」(3)農家の人に土地を提供してもらう代わりにファンドの債権・株主になってもらう「アグリカルチャーファンド」――などを提案します。「スカラーシップファンド」は、大学は優秀な生徒を獲得できるだけでなく、生徒の保証人や投資家も将来を担う若者に投資できるため社会貢献の面でも満足感が得られます。「アグリカルチャーファンド」の場合ならば、農地が抵当のない土地であるため金融機関にとっていい融資先確保になるだけでなく、大規模農場経営を促進すると考えます。彼らが販売にも手を広げて経営が拡大していけば、IPOの実現も可能になるため、農家の人はキャピタルゲインが入り雇用の促進に、融資した金融機関も収益向上につながるでしょう。

推進庁の設置 西村捷敏(72) 東京都 無職

「アイデア推進庁」の政府内設置を提案します。常勤の役人のほかに「学」「産」からの非常勤も加え、3つの業務を担ってもらうのです。具体的には(1)事業化プランに関するコンテストの定期的な実施(2)優秀作の評価選別と事業化資金の融資(3)事業化過程のチェックおよびコンサルティングの実施--の3つです。これらの活動を持続的に拡大させていくこと、またその過程を広報活動によって広く周知させていくことにより、アイデアが実現して日本が着実に前進していくでしょう。

日本版のTEDを 龍野裕通(60) 東京都 商社経営

近年、米国で様々な分野の著名人らが自分のアイデアをプレゼンテーションする「TED」の講演会が日本でも評判になっています。このアイデア発掘イベントはインターネットで紹介されるようになってから爆発的にファンが増え、今では普通の人も気軽に出演し、自分のアイデアを楽しく披露するようになりました。我が国でも、いわばTED日本版といえるようなものを企画したらどうでしょうか。広くアイデアを募り、各自にプレゼンしてもらい、その映像をネットで配信すれば、これを見たベンチャーキャピタルや投資家が心を動かすかもしれません。

公的機関としてのアイデアバンク 中島和樹(60) 兵庫県 中小企業診断士

人間の頭脳は、大小を問わず数えきれないくらい多くのアイデアを生み出しています。しかし、そのほとんどは差し迫った目的や必要がなければ記録されることはなく、泡のように消え去っていく。これは、大変もったいないことです。アイデアを実現するために必要な要件は何でしょうか。最初に、そのアイデアを生かそうという動機がアイデアと共に生まれなければなりません。その動機は、そのアイデアに対する社会的ニーズとそれらを結びつける場の存在によって生まれます。現在の日本人は、会社や学校などの組織に所属することが多いですが、所属している組織を通じて自分のアイデアを生かす可能性には限りがあります。そこで、公的な機関として、組織を超えて個人がアイデアを登録できるアイデアバンクを設立するのはどうでしょうか。そして、そのアイデアを必要とし資金や協力者を備えている企業などとマッチングできれば、目から鱗のような商品がもっと生まれるのではないでしょうか。

高齢者の矜持をビジネスに 浅井美江(55) 東京都 フリーランス編集・広報

今春83歳で他界した実家の父。地方在住ということもあり、最後まで普通車にこだわり、運転しておりました。父が車を手放さなかった理由は便利というだけではなく、その大半が「矜持(きょうじ)」だったように思います。駐車場で巨大化する軽自動車の陰に自分の車が隠れて見つけられなかった時の悔しそうな様子、同級生が免許を返納し歩いて目的地に向かうのを見た時の悲しい目…。軽を選ぶことや車を手放すことはイコール矜持をなくすことだったのでしょう。「高齢者の運転は危険」と決めつけるのはとても簡単です。運転するなというのもまた簡単。でも、なぜ高齢者が運転を続けるのでしょうか。車を手放さない理由をもっとメンタルな面からも捉えることも必要なのでは? 車に限らず、世に流通する商品開発は現役世代ばかりです。高齢者を単なる弱者とせず、彼ら彼女らが自分でも気が付いていない潜在意識や矜持までをも引き出すことがビジネスにつながるのではと考えます。

お見合いカフェ 福田恵美(48) 東京都 デザイン会社シニアディレクター

新しいアイデアを実現するには、アイデアを持つ人と、それに対して必要な技術や製品、ショップなどの場を提供できる人とのマッチングが必要です。商談の場として活用したり、定期的なイベントとしてアイデアの出しっこをしたりすることで、多くの人が出会い、アイデアが具現化する可能性があります。このような「場」にかかわる人がすべてちゃんと利益を出せる仕組みづくりも重要です。丁々発止のやりとりから新しいものが生まれる、そんな恒常的な「場」づくりを提案します。

新省庁で体制づくり 安達百合(44) 神奈川県 外資系金融機関

新省庁を設置し、国をあげてアイデアを実現する体制・風土を作ってはどうでしょうか。新省庁は、企業・教育機関・官僚と幅広い人材で構成します。アイデアによって企業や教育機関とのパイプ役になるリーダーを変えて行動するのです。地方にも出先機関を設けて、地方の企業や大学などの人材を置き、地方で実現できるアイデアはその地域ベースで協力しながら具体化します。また、新省庁は、定期的にインターンを受け入れ、若者にアイデアが実現に向かう過程や方法を理解する機会を与え、将来的にアイデア実現を意識する人材を育成していくのです。

今こそ日本の教育改革を

中佐翔也(19) 滋賀県 大学生

将来の日本を支えるのは誰でしょうか? それは、若者です。確かに、今すぐにアイデアを実現できる社会を形成するのも大事ですが、一時的なものになる恐れがあります。より大事なのは、アイデアを実現できる社会を形成し、維持していくことです。そのためには、若者が自由な発想でアイデアを生み、それを実現できる力を持つことが不可欠です。しかし、現行の教育制度ではそういう力を持った若者を輩出できません。というのも、現行の教育は結果の平等という思想に根ざしているからです。そこで、生徒が興味・関心を持った事柄について、自主的に情報収集をしてもらい、そして、発表してもらいます。この作業を円滑に進めるために、先生が援助するのです。しかし、生徒が興味・関心を持つためには、一定の知識の習得が不可欠です。そこで、初等教育現場で幅広く知識を生徒に教えます。この教育制度の下なら、自由な発想を持ちそれを実現できる力を持った若者を輩出でき、本目標を達成するのではないでしょうか。

アイデアブリーダーの設置を

浅野孝志(43) 東京都 銀行管理職

アイデアは生き物であり、それゆえ、育てるステップが必要です。アイデアの具体的な実現をサポートする「アイデアブリーダー」を産官学共同で設置してはどうでしょうか。アイデアの多くは必ずしもそのまますぐに使えるものではないでしょうが、具体化していくために育てるステップが必要だと思います。多くのアイデアは実現のためのもうひと手間を加える前に終わってしまうことが多いと考えられるので、アイデアブリーダーは「出てきたアイデアを否定せず、実現するためにはどうするかを一緒に考える」役割を担います。アイデアブリーダーに求められる資質は、アイデアを実現するために世の中の既存の仕組みを上手く活用していくコーディネート能力です。独創的なアイデアを出すことは苦手でも、出てきたアイデアを世に活かすという使命感を持ったアイデアブリーダーが集まる、よろず相談可能な産官学共同のサポート機関をつくり世のアイデアの卵を育てましょう。

国民SNSで情報共有し総合力を発揮 平野哲(51) 千葉県 商社

パソコン、携帯、スマホ、のみならずテレビも使って、老若男女が気軽にタイムリーに情報発信し共有できるシステムを公的に作って活用してはどうでしょう。リタイアした人が指導したり、災害情報や急な病気のお助け情報や、育児の相談に地域のベテランがアドバイスしたりします。ITを有効活用して、地域の、国の絆を再構築しましょう。

起業版・松下政経塾を 橋本義幸(39) 神奈川県 情報処理

リスクを取りやすい社会を作るため、国でビジネスコンペをして、それに上位で入った人(例えば1000人)を月30万円で3年間(1人当たり約1000万円)で自由に起業の準備をしてもらいます。年間予算にしても100億円程度、公共事業をするよりは格段に安く、将来に役立つ雇用を生むと思います。

違いを「奨励」し、失敗を認めよう 川崎一彦(64) 北海道 大学教授

私はここ20年ほど大学だけではなく、初等中等教育においても(1)創造性と(2)自己効力感(自分でも出来るという確信)をすべての授業における到達目標として実践研究を行ってきました。他の国、他の都道府県、他の人とは違うアイデアを生み出し、そしてそれを実践に移さないとNIPPONの将来はない、との確信からです。この目標に到達するためのNIPPONの問題点を2つだけ指摘させて下さい。(1)〈違いを認める〉→〈違いを奨励する〉気風を増長しましょう。日経2010年9月16日付夕刊に掲載された「(経済今昔物語)仕事の風景(1) 就職氷河期、個性は封印」は個性、創造性に逆行するNIPPONを報じた衝撃的な記事でした(2)制度疲労、課題先進国NIPPONには〈想定外〉のソリューション(解決方法)が必要です。 失敗を認めよう。思いきって若者や女性のアイデアも実行してもらいましょう。

自由にジョブローテーションできる社会を 鎌田進(50) 東京都 企画部販売推進

現在の日本の社会構造を大局的に見てみると、社会、産業の進歩と行政、学校で教えている内容が感覚としてかなりかけ離れているのではないかと感じます。これは、教員・公務員が採用された後、勤務地や部署が変わることはあるが、企業で働く立場、生活者としての立場を体で理解する機会がなかったためでは? 単なる研修だけではなく、産業界と公務員、教員、政治家などが効率的にジョブローテーションできる社会システムの構築が日本の将来のためには必要だと感じます。相手の立場や今、現場で起きていることを実際に経験して理解する事で、見えていない問題点を抽出し、その課題を解決する事ができるのではないでしょうか。

海上都市を造ろう 平原幸雄(56) 宮城県 建設業

今後、発生が予想される大規模災害(東京直下地震、東南海地震、大津波、富士山噴火、海面上昇、原発再爆発など)によって、壊滅的な都市災害が予想されるため、都市機能のバックアップ機構をもつ、「災害につよい海上都市」の構築を提案します。海は資源に溢れています。海と環境と自然からの資源をもとにした「産業と経済と生活の自立」と「循環社会の形成」を確立するグローバルな経済都市としての「自立した海上都市」です。日本の未来を憂い、危機感をもち、「日本のあるべき将来像」を提起していくことが、「新しき日本の復興」であり、3.11震災を転機に、「夢のあるプロジェクト-海上都市」で海洋国日本の再建を目指しましょう。

「妨げられない仕組み」づくり 丸山浩市(63) 東京都 無職

前向きに活動できる人たちのアイデアがどうして実現できないのでしょうか。理由は無関心な人、組織、出る杭を打つ人、組織が現実に存在しているからです。これを打破するためのキーワードは「妨げられない仕組み」です。つまり、アイデアを出す人の所属する組織において「妨げられない仕組み」をつくることです。具体的には、先ずアイデアに対するインセンティブがあり、どんどん提案がなされる環境にします。次に規則、組織によっては法令まで作成し、アイデアが実現しやすくなる環境をつくります。この規則が守られない場合は罰則もあります。ここまでやらないといけないのが日本の現状であることを認識し、政・産・学・官のあらゆる組織で国民運動的にまで盛り上げ、意識的展開するべきだと考えます。アイデアが実現できるということは政策、戦略などの実現につながり、明るい未来が見えてくることになります。

ものづくりルネサンス 岩間達也(31) 神奈川県 社会人大学院生

安価で精度の低いものが溢れ返っています。そんな現状に満足してしまっている若者たち。数少ない高級品を共有し、悪戦苦闘していた団塊の世代の若者時代。一体どちらが裕福だといえるでしょうか? 技術を持った団塊の世代が第一線からいなくなってしまいます。取り残された技術のない若者たちは戸惑います。ならば企業や行政が、ものづくりに必要な機材を一般に開放するコミュニティースペースを設けてみてはどうでしょうか。引退した団塊の世代をインストラクターとして雇い、若者たちに技術の継承を安価に行います。日本のものづくりの基礎である師弟関係を復興できる場を設けてみてはどうでしょうか。きっとそこから世界に名を轟かせたMADE IN JAPANが蘇(よみがえ)ります!

創造性を推進する機関の構想 下村源治(31) 埼玉県 インターネットサービスプロバイダー

21世紀は無限にあるアイデアが様々な分野でオープンイノベーションを起こしています。私は産・学・官から成る、創造性を促進する独自機関を提案します。これは特許庁とは異なり、集まったアイデアを全てオープンにして、見ている人達が価値を見いだし、実現に必要な技術力などを総合できる「場」の提供が機能として備わっています。これが実現できれば、これまでにないイノベーションマネジメント機関となるでしょう。

次世代型の高度成長期

塩見妙子(31) 大阪府 ガス給湯器メーカー

近年、海外へ生産拠点を移し、経営の向上を図ろうとする日本企業の動きが目立ちます。高い技術力を新興国などに伝える役割は誇らしいことですが、日本はどう変わるのでしょうか。企業は現地の人々を雇用するため日本の雇用は減り、輸出面でも経済が衰えるのではないでしょうか。経営不振の企業は、経営戦略を問題視し、アピール方法やニーズなど少し違う点に注目することで、購買力や経営の向上につなげられるのではないでしょうか。企業内だけで意見するのではなく、他社の分野の異なる企業との意見交換や共同開発などを積極的に取り入れていくのもいいでしょう。考えも広がり、日本企業の体質とも言える固定概念の払拭も期待できると考えます。技術力に自信のある日本だからこそ、意見を積極的に言える環境が整えば、国内はもとより、海外とも勝負できる企業が増すのではないでしょうか。日本経済を活性化させ、アイデアを実現するためには、官・企業が一体となり環境整備を始めて行くことが、まずは不可欠です。

起業支援でも三位一体の改革

九井琢也(24) 東京都 建設業・環境エンジニアリング企業

起業するには何よりも、意志や決意が強くなければなりません。しかし、法規制や資金、技術面での不安があるのも事実です。そこで産官学が各分野で起業を支援するために変革することを提案します。まず「産」は内部規制の緩和と技術の投入です。起業時には就業規則の兼業禁止規定を停止し、設備支援や技術協力を行います。そして子会社としてではなく、自社も活躍できる新たなフィールドとして成長させるのです。次に「官」は資金を支援します。起業は雇用確保と所得伸長が見込め、国民経済の観点でも有益です。いっそ政党助成金を廃し、起業助成金としてはいかがでしょう。総額は約320億円と大企業の投資よりは少ないものの、ベンチャー企業の船出の一助となります。そして「学」は起業に必要なスキルを一括して学ぶ教科、すなわち法令、会計、経営学、時流の先読み法などを提供します。起業する学生が増えれば大学などがハローワーク化せず、平素は学業に打ち込めるはずです。

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