経営の知恵 ジョブズが遺した「言葉」(2)

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2011/12/3 7:00
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米アップル創業者、故・スティーブ・ジョブズの経営手腕のすごさは、多くの人に知られるところだ。秘密主義に見えたジョブズだが、実はテレビやビジネス雑誌など、さまざまな場所で、彼の経営手法、経営哲学について語っている。

3つの会社を創業し、経営してきたジョブズ。最後に戻ってきたアップルはどん底から時価総額で世界のトップ企業に躍進し、いくつかの雑誌から現代における最高の経営者と評された。写真は、新製品効果で成長路線を取り戻した頃のジョブズ(2000年、千葉市の幕張メッセ)=ロイター

3つの会社を創業し、経営してきたジョブズ。最後に戻ってきたアップルはどん底から時価総額で世界のトップ企業に躍進し、いくつかの雑誌から現代における最高の経営者と評された。写真は、新製品効果で成長路線を取り戻した頃のジョブズ(2000年、千葉市の幕張メッセ)=ロイター

ジョブズが遺した「言葉」とその真意を解説する本連載の第2回は、本質主義で示唆にも富んだ、彼のビジネスでの格言を4つ紹介する。

『私みたいな人間にとって、最も大事な仕事の1つが人材獲得だ。』
I consider some of the most important job of someone like myself is recruiting.(1984年)

ジョブズは、初代Macintoshの開発チームを作るときも、アップルの立て直しやiMac、iPodの開発をするときも、一流社員による少数精鋭チームを作り、そこに二流社員が交じらないように細心の注意を払った。「我々が求めているのは、季節労働的な労働力ではなく、それぞれの分野で際立って優秀な人材だ。もし、そうした逸材を10人集めて『核』を作れば、後は彼らが自警団を作って誰をグループに加えたいか、見張ってくれる」。お金をかけて優秀な人材を獲得してきても、置く環境を間違えてしまうと、結局、その才能の芽を潰して終わる。ジョブズがアップルに復帰する直前、工業デザイン部門を率いていたジョナサン・アイブはその能力を発揮できず、退社を考えていた。

『必要なのは共通のビジョン、それを提供するのがリーダーシップだ。』
What they need is common vision and that is what leadership is.(1984年)

優秀な人材の確保こそが大事だと言うジョブズだが、それではどのような人材が優秀なのか。ジョブズは、その要件の1つとは自己管理ができることだという。「優秀な社員は自己管理ができている。彼らは何をやらなければならないかさえ分かれば、あと、どうやったらいいかは自分で見つけ出す。彼らは管理される必要はない。彼らに必要なのは、1つの共通のビジョンであり、それを提供することこそがリーダーシップの条件だ」というのだ。リーダーシップとは、周囲の人々が理解できるように、理路整然と説明し、共通のビジョンについてのコンセンサスを作ることにある。

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